第3章-6
そう思いながら、美咲はこの淫らな行いを正当化していた。
そのように解釈しなければ、彼女の心は切なく虚しくなっていくばかりである。
ここで、老人達に騙されて、犯され、心まで傷ついたら生きていけない。
それを愛の奉仕という美しい言葉で括ることで、それは中和されるのだ。
母の教えが無かったら、
二人はこの異常な雰囲気を察して逃げ出していただろう。
それをさせなかったのは、母の教えだったのは皮肉である。
娘に無償の愛の心を教えたはずが、はからずもこのような結果に。
美咲と沙也香の他人に対する真摯な思いやりは、裏切られていた。
母が言いたかったことは、セックスの対象に娘の身体を与えることではなかった。
それは美咲は分かっていた。
しかし結果がこうなっては、それをいまさら返すことは出来ない。
若いプチプチとした身体を、海千山千でしたたかな男達に与えること、
その言い訳になっていた。
「さあ、美咲ちゃんと沙也香ちゃん、お願いして良いかな?」
「あぁ、はい、どんなことをすれば良いのかしら・・」
「ほら、みてごらん、皆さんもうウズウズして待っているんだよ」
「ええっ?」
美咲が気が付いて、高崎の差した指の方を見つめた。
そこには床の上に敷いた大きなマットレスの上に、
男達が並んで仰向けにし、寝ころんでいた。
まるでそれはマグロが転がっているようだった。
それを見て思わず美咲は吹き出してしまった。
「まあ、おじさま達、どうしたのですかぁ?」
だがよく見ると全裸の男達の股間は異様に興奮していた。
ペニスが勃起して天を突いていたからである。
それは年老いた人間には思えなかった。
寝ころんでいた佐々木がニヤニヤした顔をして言った。
「私達おじさんのおちんちんを、美咲ちゃんと沙也香ちゃんに舐めて欲しいんだよ」
「えええ?」
「さあ、こっちへ来て」
「あぁ、はい・・・」
それらを見て驚いていたのは、美咲だけでなく沙也香も同じだった。
姉の後ろでやはり全裸になった沙也香も興奮していた。
(もうこうなったらお姉ちゃんと一緒にするしかないんだわ)
この妹も姉に似ていて諦めが早かった。
ただ、どういうわけか彼女の股間も濡れていた。
セックスの経験も、男にキスをしたことも無いのに
何故か身体が熱くなり濡れているのだ。
それは姉の美咲も同じだった、この姉妹は感受性が強い。
人はその環境で変わるものである。
始めて経験する破廉恥なことでも、そこから逃れられないと知ったとき、
それに対応すべく、心と身体は反応するのである。
そこに人として飽くことのない性欲が存在するからである。
年若くても、それに目覚めたとき、人は大人になるのだ。