〈不治の病・其の一〉-2
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A棟とB棟。
二つの棟がL字形に繋がって病院はデザインされていた。
それぞれ、
一階は外来。
二階は手術室と手術を控えた患者の部屋。
三階から上は入院患者の病室となり
三階は内科。
四階は外科。
五階は整形外科。
と、なっていった。
巨大な建造物だが、しかし、実際の中身はと言えば、A棟だけで殆どの患者の治療は行えていたし、B棟はもぬけの殻と呼んでもいいくらいだ。
従って、夜間はA棟の明かりだけが周囲の林や沼地を照らし、B棟は疎らな明かりをポツリと漏らすのみ。
そのB棟の五階の、一番端にある520B号室、ポツリと寂しく光るその部屋の“湿度”が、異常に高くなっていっているようだ……。
「むぅッ!!むぐぅぅ!!!」
とうに就寝時間の過ぎた午前零時、三つのベッドが対に並ぶ六人部屋に、病室の定員を超える患者が犇めいていた。
三つに並ぶ真ん中のベッド、そこには手足を掴まれたナースが患者達に押さえ付けられ、口を掌で塞がれていた。
年頃は20代前半だろうか?身長も高くはなく、丸い目と低い鼻に、まだ幼さを感じさせる。
その瞳は必死に〈思い〉を伝えようと見開かれ、その伝えたい言葉の数だけ涙を零していた。
『へへ…へ……“溜まって”くるんだよぉ』
『看護婦さんなら分かるよなあ?男の身体のコト……』
病院支給のベージュ色のパジャマを着た患者達は、興奮に息を荒げて、そのナースを見下ろしていた。
20代の若い男もいれば、50代のオヤジまでもいる。
十数人からなる患者の群れは、透き通るように純白なナース服のボタンを外し、やはり純白な下着までも外しにかかった。
その様を見れば、身体の何処が悪いのか分からず、至って健康な身体にしか見えない。
「ん"〜〜〜ッ!!!」
患者達はナースを大の字にベッドに押さえ付けると、グイグイと脚を拡げにかかり、遂に股間は、あられもない角度にまで拡げられてしまった。
幼い童顔に似合う、薄いフワフワとした陰毛が部屋の空気にそよぎ、唇同様の可愛らしい性器に、患者は涎を垂らしてむしゃぶりついた。
ナースの篭った叫びは更に強くなったが、それを掻き消すが如く、患者はベチャクチャと下品な音を発てて性器を舐め回し、そしていきなり怒張した男根を突き刺した。
「む"ッ!?む"ぐぐ!!ぐうぅぅ!!!」
ナースの視線は助けを求めて泳ぎ、汚されてしまった哀しみに、眼球は赤く染まっていった。