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〈不治の病〉
【鬼畜 官能小説】

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〈不治の病・其の一〉-14

これまでの恋愛での男女の情交は、何度となく経験してきた。
彼氏に不自由する事もなく、肉体関係に至っても、それは同じだった。
愛しい彼氏との肌の触れ合いに、罪などありはしない。
敏感な部分を触れられ、大切な部分を舐められる快感。
優しく肌に触れ、互いの愛を確かめ合う夜は、それは至福の時といっても過言ではない。
そして、その行為は、互いに愛情を持った者同士だけに許される情事なはずだ。

強引に、しかも集団で襲い掛かり、肉体だけを欲するなどとは、女性蔑視の最たるものだろう。
そんな女の敵の手に落ち、愛無き愛撫に晒されるなど、屈辱以外の何物でもない。
しかし、亜矢の身体は快感など微塵も感じられぬ状況にあっても、彼氏との情交の時と似た感覚を覚え始めていた。

両の乳首と股間。そのそれぞれに別個の“意思”を持った患者達が触れ、全く違う“悪戯”を加えて弄んでくる。

集団による全身への愛撫。

遮断したい女体の疼きが、強固な意志を持っているはずの意識の壁を突き抜け、亜矢の脳髄までも擽り始めていた。

ただでさえ口を塞がれているのだ。
ずっと抗い続けていた身体は酸素を欲し、呼吸を乱して鼻から酸素を取り込もうと必死だった。
当然、小さな鼻穴が取り込める酸素量などたかが知れたもの。
最初の頃の力強さは影を潜め、ますますか弱い女に堕ちていった。
真っ赤に染まった顔面は汗に塗れ、白い肌も桜色に火照って汗に輝く。
筋力の残量が著しく減っていった亜矢の肉体は、未だ逃走を諦めていない意識を置き去りにして、その機能を弱めていった。
まるで、執拗な愛撫に宥められ、従順になっていくかのように……。


『お?おとなしくなってきたな。だんだんと気持ち良くなってきたかな?』

『これだけの人数に、いじくり回されたら気持ち良いよなあ?』

(ち、違う……もうヤメテぇ!!!)


乳輪までも盛り上がったかと錯覚するように、乳首は赤く変色してパンパンに膨れ、見事な山並みの山頂に彩りを添えていた。
股間も発汗が進み、パンティーが吸い付いて息苦しそうに見える。
そして蒸れるほどに発熱し、患者の指先を僅かに湿らせた。



『へっへっへ……こんなトコに“滲み”が出来たぞ?』

「!!!!」


患者達は手を休め、亜矢の《一点》を凝視した……水色の股布の中心に、ポツンと小さな滲みが姿を現していた。
驚きとも哀しみともとれる瞳は見開かれ、そこには薄気味悪い笑顔をした患者達の集団が、顔を近付けて拡げられた股間を眺める様が映しだされていた。

鼻の下を伸ばして見入る者。
呼吸を荒げて滲みに指先を擦り付け、その付着した汁の臭いを嗅ぐ者や、直接に鼻を近付けて、割れ目から立ち上る臭いを嗅ぐ者もいた。
悪夢のような光景……だが、その当事者は、紛れも無く自分なのだ。
興味のままに牝臭を嗅いで、はしゃぎ回る変質者に捕らえられているのは、変えようの無い現実なのだ。



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