第五章 いざない-1
車を止め助手席へと回る。ドアを開け、手を差し伸べると、睦子は素直に俺の手を取り車から降り立った。
「信じていいのね?」
睦子を抱き締め、唇を貪ってやる。舌を絡めてやると、睦子はたまらない表情で喘いだ。
「その代わり、俺の命令には従順に従うんだ。いいな?」
睦子の肩を抱いて部屋へと向かう。そして、睦子の背中を押すようにして睦子の寝室へと入った。
「お願い、シャワーを浴びさせて?」
「ダメだ。先に睦子がどんな女か確かめさせてもらう。」
「どんな女か確かめる?」
「そうだよ。睦子の心の奥底にある女の本性をこれから確かめるんだ。
睦子が貞操観念を持ち、自制心を保つことのできる淑女なら体は乾いているはずだ。
しかし、淫乱であれば話しは別だ・・・
貞操観念を忘れて欲望に心を委ね、いやらしい感情を燃え上がらせるような淫乱であれば、その体はドロドロに溶けてしまっている。」
「あああ、そんな・・・・」
睦子は、深い谷底へ落ちるような思いに包まれていた。自分の体がどのようになっているのか分かりすぎるほどに分かっている。それは、どんな言葉でも繕うことのできない事実だった。
「まさか、男を受け入れる準備を一人で済ませているなんてことはないよな?」
「い、いやあ!」
「さあ、睦子の全てを俺に見せるんだ!」
「あああ、許して!」
「約束が守れないのか? 睦子は俺の言葉に従順に従いう約束だっぞ。」
狂いそうな思いが突き上げる。そんな睦子に賢治の容赦ない命令が下される。
「ベッドに上って、ショーツを脱ぐんだ。
そして、その大きな枕に背中を預け、両脚を天井に向けて真直ぐに伸ばすんだ。」
賢治の声は、逆らえない響きを持っていた。睦子の体が操られているかのように静かに動き出す。そして、気がつけば、賢治の命令通り下半身を剥き出しにし、両脚を天井に向かって長く伸ばしていた。