店長日記 3-1
ある平日の午後の3時過ぎ。
雅代のレストラン。
時間潰しのタクシ−運転手のグル−プも入れば、中年の主婦のグル−プ
も。
一人で本を読んでいる人も。
ウェ−トレスたちが通路を早足で歩いている。
日常の光景だ。
何人かいるウェ−トレスのなかでも、一番、男の視線が集まるのは雅代
だ。
レモン色のワンピ−スからは、成熟したボディラインが浮き上がっている。
体を動かすたびに悩ましく揺れる乳房。
くびれたウェスト。
歩く後姿に視線を向けると、タイトからは、ピップの丸みが客たちの視線を誘
っている。
男の客からは、目の保養にで良いと思われるが、女の客からは、軽蔑の感
情をもたれることも多い。
雅代にコ−ヒ−を注いでもらった主婦のグル−プ。
通路側の主婦の視線の先には、タイトスカ−トのヒップを窮屈そうに振り
ながら歩く雅代の姿がある。
主婦には、プロポ−ションの良さを自慢しているように映ってしまう。
「あの奥さん化粧濃くない」
「スカ−トが短すぎるよね」
「 水商売あがりでしよ」
「店長にも姦らせるんでしよ」
肥満体の主婦たちが体を揺らして笑う。
店長室。
信二が汚れた白衣姿でスポ−ツ新聞を読んいでるとノックの音がする。
コ−ヒ−を運んでくるのは、雅代の役割だ。
ソファ−に座っているため、ムチムチした太腿に視線が延びる。
この奥さん顔も良いがスタイルも良いね。
すぐに出って行こうとする雅代を呼び止める。
横に座らせ、乳房を揉んだり、キッスをしながら話をする。
「お前も知っているだろ。
このまえ旅館でおまえとも少しレズった瞳ちゃん。
あの子の制服姿を見たらつい抱きたくなって。
ホテルに連れ込んで姦ちゃったんだよ。
そうしたら美紗子奥さんがお前を抱かせろって、煩いんだ」
「来週、石和の温泉で乱交パ−ティを開くんだ。
夫婦の最後の旅行だ。
たっぷり愛しあをうぜ」
雅代の誰からも好まれそうな親しみやすい顔に涙が溜まっていく。
これ以上は、人の善い夫や優しい娘を裏切れない。
中学生の娘の美貴は、母親思いだ。
「この頃、おかあさん少し元気が無いみたい。
疲れているの」
優しい言葉をかけてくれる。