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魔法少女ありす
【コメディ その他小説】

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カミラ-4

「おはようございます」
ありすは、自宅を出てすぐ近くに止まっている黒縫う利の普通乗用車の傍に立っている青年に
声をかける。
「やあ、おはよう。今日は、歩いていくんだね。」
「あっ。昨日は、すいませんでした。」
「助かるよ。昨日みたいに飛んでいかれると追いつけないので仕事にならない。」
「毎日、朝早くから大変ですね」
「いや仕事だからね。」
「じゃあ、失礼します。」
ありすは彼に頭を下げ歩き出す。
彼は、ありすが10mぐらい過ぎたのを見てゆっくり後を追って歩き出す。
「それにしても私の監視なんて楽な仕事じゃないのかな?」
ありすは独り言をつぶやきながら通学路を歩いていく。
しばらく行った交差点で由美と合流した。
「おはよう。由美ちゃん」
「おはよう。ありすちゃん」
由美は、ありすの後方からついてきてる男を確認すると手を高く上げてぶんぶんと大きく振る。
「おはようございまーす。滝さーん」
男も軽く手を上げて応えてる。
「由美ちゃん。尾行されてる本人を目の前に尾行者に手を振るのはどうかと思うよ」
「何言ってるの。ありすちゃんだって。その尾行されてる本人が尾行者に毎朝きちんと挨拶してるじゃない」
「まあ、そうなんだけどね。あの人、滝さんって言うんだ。ねぇ?ひょっとして由美さん。あの人の事が……」
「そんなんじゃないよ!昨日宿題を教えてもらったから挨拶しただけ」
「宿題やってもらったの?」
「教えてもらったの!」
「やってもらったんでしょ?」
ありすがじとーと見る。
「……はい」
「やっぱり…」
「……」
「写させて」
「ありすちゃん……」
そんなやり取りをおえると再び歩き出す。

一方、カミ−ラ・ドルベーク宅。
「ラスカルさん。ご一緒して下さいます?」
カミーラは、登校を見送ろうと思っていた黒猫に声をかける。
「なぜに?」
「お友達にご紹介したいと思いまして」
「止めとけ。大騒ぎになるぞ」
「大丈夫です」
「話さなきゃいいって言うのだろ?」
「いいえ。お友達は、魔法少女とそのお友達なので使い魔を紹介しても問題ないと思います」
「いや、それ以前に猫を学校に連れて行くのは校則違反ではないのか?」
「大丈夫です。生徒手帳を隅々まで読みましたがどこにも学校に動物を連れてきてはいけないって記述は、ありませんでした。もちろん使い魔もです」
ラスカルは、ガクッとうなだれた。
「そりゃあそうだろう。生徒手帳に載せる以前に常識の範疇だと思う」
カミーラは、ラスカルを抱きかかえる。
「こら。よせ!はなせ!」
「エリーゼお願い。」
ラスカルの発言を無視すると、現れた箒に乗ると最高速度を3秒でたたき出し学校へ向かって一直線に飛び出した。
「・・・なんか以前よりすごくなってないか?」
「なんかねー。ありすちゃんのシューティングスターに対抗意識を燃やしてるみたいなの」
「ありすってのが友達でシューティングスターってはのそいつの箒か?」
「そうなんです。」
「箒の癖に難儀だな…。カミラの通ってる学校は箒登校可なのか?」
「生徒手帳を隅々まで読みましたがどこにも箒での登校はしてはいけないって記述は、ありませんでした」
「はいはい……」
ラスカルは、よけなことを言うのを諦めてカミーラの腕の中で寝てしまうことにした。


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