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いじわるユリ・志保里の恋
【同性愛♀ 官能小説】

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全一章-6

ある日学校から帰ると、おばちゃんがママの寝室で寝ていました。
ただでさえ白い顔が真っ青でした。
弱々しく手をあげて「ハア〜イ」と挨拶してくれました。

少し調子が良さそうなとき、
私が寝室を覗くと、おばちゃんが手招きしたのでベッドの側に立ちました。
とても寂しそうな目で、
「志保里、ちょっとだけおばちゃんに触らせて」と言ったのです。
私は、とっさにその意味が分かりませんでしたが、
おばちゃんが私の制服のスカートの裾から手を入れたのです。
ああ、そうか。
昔のことを思い出して、私のカラちゃんを障りたいんだ、と分かったので、
「いいよ。昔のようだね」と言って、触りやすいように近付きました。
おばちゃんはちょっとはにかみ、
「覚えていたのね。うれしいわ」
そう言って、私のカラちゃんの中に指を入れてくれました。
そのままジッとして私の顔をみつめながら、
「もう、思い残すことはないわ」と言ったのです。
「なんてこと言うの。いやよそんな言葉、聞きたくない」
「もう一度だけ、綺麗な志保里のココ、触りたかった」
「もう一度だけなんて。あの後、いつもおばちゃんのこと待ってたのに」
「志保里大人になったのね。おばちゃん元気になりたいなあ」
私は涙が溢れました。
おばちゃんは、私のカラちゃんから指を抜くと、
その指を口に含み。
「志保里の匂いがするわ」
そう言って寂しそうに笑いました。

ママが言うには、おばちゃんはスキルスガンの手術の退院後だったそうです。
2週間ぐらい伏せっていたでしょうか。
病院ではもう手当の仕様がなかったそうで、ママが一所懸命面倒を見ていました。
その甲斐もなく、おばちゃんは30前なのにあっけなく亡くなってしまいました。

家でお葬式をして、お骨になってしまいました。
ママの嘆きは尋常でありませんでした。
ママはおばちゃんのお骨を抱いて、
何日も何日も泣いているので、しつこく聞いてみました。
おばちゃんは天涯孤独で、
ママと同じ職場で恋に堕ち、離婚はおばちゃんが原因でした。

私がおばちゃんの最後の言葉から勝手に想像したのは、
おばちゃんはママの娘である私にも恋していたんじゃないか、ということです。
私だって、おばちゃんに会う度に、
いつまた、あの日のように私を可愛がってくれるのか期待をしていました。
中校生になった頃、
家に来たおばちゃんが私の頬を撫でたことが一度だけありました。
高校へ入ると、
私を見るおばちゃんの目は、明らかに潤んでいました。
かといって、もう、頬を撫でることもなく、
寂しそうに微笑んで私を見つめるだけでした。
私は、おばちゃんが好きなのに、鈍感でした。
日が経つに連れ、それは間違いないように思われてきました。
でも、そんなことはママには言えません。
ひとり悩んで、
こんなことになるんだったら、
ママに黙っておばちゃんを誘惑しておけばよかったと後悔しました。
私は、人の一生なんて、本当にあっけないものだと思い、
<わかよたれそつねならむ>が座右の銘になってしまいました。

私の琴線を震わせる人が、
いつも、ちょっと寂しげで、色の白い弱々しい女性なのは、
おばちゃんの面影を追いかけているのではないかと思うようになりました。
私がおばちゃんを慕っていた気持ちは、
恋ではないでしょうが、そうなる前に死なれてしまったのです。
ですから、
好きになってしまった人は積極的に誘惑しよう。
というか、胸を焦がす人はまだいませんけど、その積もりです。
後悔したくない気持ちが強くなっているのです。

見た目は私と同じ色白で、
どこか病的な繊細さがある女性を見ると、いたわってあげたくなるんです。
いたわりながらイケナイことをするのに興奮を覚えてしまいます。
これ、妄想ですけど。
特に、私は女性のピアニストに憧れます。
あの、しなやかな細い指の動き、
ロシアのピアニスト、
チェコのピアニスト、
ポーランドのピアニスト。
DVDを聴きながら、いえ、見ながら、
そのピアニストのカラちゃんを想像してしちゃいます。
音楽は二の次なんです。
ママは、私がクラシック音楽派だと思っています。
それでいいんです。
私が、ピアノのDVDを見ているときはお部屋に入ってきませんから。
勿論ピアノを弾きます。
かなりの腕だと思っていますが、ピアニストにはなれないでしょう。
ただ自分の指の動きが好きなんです。
ピアノを弾いている自分の指を見ていても濡れるんです。
ちょっとナルシストっぽいところがあります。(ナルシスって男ですけど)


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