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美咲推し!!
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演劇部バレンタイン公演-18

体育館に入ると、そこはさっきまでの熱気がウソのように静まり返っていた。私はステージの上にあがって体育館を見渡した。自分があの熱気の中心にいたのが信じられなかった。あの感覚を今でもはっきりと覚えている....自分が将来やりたい事が朧気ながら見えたような気がした....その時いきなり麻里の声がした。
「今日2月14日は私達のエース北原美咲の誕生日....という事でこれより北原美咲の生誕祭を行います。」
それから音楽が流れ演劇部の女子部員達がAKBの誕生日を祝う歌を歌ってくれた。私はステージの上からそれを見ていた。
「美咲!!お誕生日おめでとう!」
歌い終わった麻里がステージに上がって来て私の隣に立って私の肩を抱いた。
「えっ!?どうして.......」
私は驚きと嬉しさのあまり泣きそうになった。
「理彩に教えてもらったのよ!」
「理彩に?」
「うん!」
麻里が頷くと
「美咲!!お誕生日おめでとう!」
理彩と真弓がケーキを持って現れた。ケーキには火がついた蝋燭が立てられていた。いつの間にか男子部員達も体育館に来ていてみんなでHAPPYBIRTHDAYの歌を歌ってくれて、歌い終わると私は蝋燭の火を吹き消した。
「このケーキ...和哉が用意してくれたんだよ!」
理彩が私の耳元で囁いた。
「えっ!?」
体育館を見渡すと、直輝君が木下君を引き留めているのが見えたような気がした....
「木下君いるんでしょう!いるんならそのまま聞いてて....私はもう気にしていないよ!だから木下君も気にしなくてもいいよ!..........木下君!こんないい女をフッたんだから....彼女の事....大切にしないと承知しないぞ!!」
「美咲....あんた....」
麻里が私を見ながら....
「普通....自分で自分の事....いい女なんて言う?」
「いいじゃない!今日だけは!だってあの熱気の中心にいたんだよ!勘違いしても!!」
「勘違いじゃないよ!美咲先輩はいい女ですよ!」
「ありがとう!葵ちゃん!そう言ってくれるの葵ちゃんだけだよ!!」
「美咲先輩ボクの事葵ちゃんって呼ぶのもう止めてくれませんか?」
「そんな姿で言われても.....説得力が....」
葵ちゃんは公演の時の衣装を着ていた。
「その衣装似合ってるよ!!葵ちゃん!」
「止めて下さい!」
葵ちゃんは真っ赤になっていた。
「葵ちゃんをからかうのはそれくらいにして....美咲がやってみたい事って何?」
麻里が聞いてきた。私は少し考えて
「さっきの歌....私も一緒に歌いたい!」
麻里は驚いたように
「あんた...あれだけ歌ったのに....まだ歌いたいの?」
「だって...さっきの歌だけ歌ってないもの.....」
誕生日を祝う歌だったので、公演の曲から最後に外した。一応レッスンはしたが歌っていなかった。
「私はもう一回公演をやっても大丈夫だよ!!」
「美咲には適わないなぁ...」
「麻里早く!」
私は麻里の手を引っ張ってステージから降りてみんなと一緒に歌った。




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