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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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再会のバトル-8

「『キャラ』は道場に居た時の愛称で、ゼビアではそれを名乗ってました」

 キャラの説明に3人は納得し、他の2人はそろ〜っと構えを解いた。

「ったく、謁見の間は格闘する所じゃねぇ!!場所をわきまえろ!!」

 キャラに怒られた2人は小さくなってショボンとする。

「ぷっ」

 大の大人が若い娘に怒られて小さくなってる様は中々可笑しいもので、ステラは思わず笑ってしまった。

「ご……ごめんなさい」

 手を口に当ててクスクス笑い続けるステラのおかげで場の空気が和む。
 アースは初めて会う3人に目を走らせた。

(ふぅん……確かに良い子そうだ……兄ちゃんらは……やっぱキャラと似てんなぁ……)
 ステラはふわふわの赤毛に蒼い目、見かけの印象通り柔らかい性格の持ち主のようだ。
 双子の兄弟は……髪の色は金髪だが、緑色の目と顔立ち、そしてどこか近より難い雰囲気がキャラと似ている。
 アースは身なりを簡単に整えると、まずはステラの前に来る。

「失礼しました、ステラ姫。お初にお目にかかります、ゼビア騎士団隊長、魔導師アースです。以後、お見知り置きを」

 ステラの前に膝まづくと、手を取ってキスをする。

「はい。よろしくお願いします」

 第一印象とは違い、かなりの紳士ぶりにステラはにこやかに返事をした。
 アースはステラを見上げて笑いかけると、立ち上がって双子の兄弟の前に方膝をつく。

「先程は大変失礼いたしました。ゼビアを代表して先触れに参りました、ゼビア騎士団隊長、魔導師アースです。ゼビア国王は明日の昼過ぎに到着予定です」

 もう一度ちゃんと名乗った後、用件をしっかり伝えたアースにラインハルトは頷いた。

「ご苦労。こちらから港に迎えをやっておく」

「よろしくお願いします」

 その様子を見ていたキャラは、アースの礼儀良さに気持ち悪くなる。
 これだけで済むはずが無い……。

「……ってなわけで、ラインハルト国王。先に無礼を詫びておきます」

 スクッと立ち上がったアースは、ラインハルトとの距離を一気に詰めると痛烈な拳をラインハルトの顔に叩きつけた。

ガシャーン

 近くにあった椅子を巻き込んで倒れたラインハルトを見下ろしたアースは、軽く手を振って一声。

「手加減はしたからな」

 ギルフォードは同情の眼差しをラインハルトに向け、キャラはほらなと言わんばかりの表情を見せる。
 事情を知らないステラと爺さんは呆気にとられていた。


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