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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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再会のバトル-7

「姫様!!」

「っわぁっ!!」

 飛びついたステラをなんとか抱き止めたキャラは、ステラの背中を撫でて困った顔をギルフォードに向ける。
 ギルフォードは不機嫌な顔で何も言わない。
 キャラは軽くため息をつくと、ステラの両肩に手を置いて引き剥がし顔を覗く。

「何もありませんでしたから、大丈夫ですよ?彼はちゃんと城まで送ってくれましたし……ね?」

 ステラは自分の身代わりにキャラが無頼者に好き勝手されたのではないかと心配だったのだ。

「来てるのか?」

 キャラの言葉にギルフォードが聞いてきた。

「はい。謁見の間に通してます」

「……ラインハルトも呼んでくれ」

 立ち上がって会いに行こうとするギルフォードにキャラは呟く。

「……あいつも全部知ってますよ?披露宴前に痣つくるのは好ましくないと思いますけど……」

 ギルフォードはギクリと足を止めた……が、思い直して再び歩く。

「大丈夫だろう……」

 同意のうえでヤったのだからビクビクする事もない。

「常識が通用する奴じゃないんですけどね」

「キアルリア……わざと言ってるだろう?」

 どうやらビクつくギルフォードが面白いらしい。
 キャラはペロッと舌を出して笑った。
 ギルフォードはキャラをこずくと謁見の間へと向かい、ステラも後に続いた。

 謁見の間ではアースが物珍しそうに色々と眺めていた。

「落ち着きがない男じゃな」

 案内してくれた爺さんが不機嫌な声を出す。

「ん?あぁ、やっぱ俺が居たゼビアとは造りが違うなぁって思ってさ」

 柱のデザインや、窓枠なども凝った彫刻がしてあって面白い。
 妙な所に興味を持つアースを、爺さんは毒気を抜かれたような顔でまじまじと見る。

「キャラが……キアルリアがゼビアで世話になったと聞いた」

 爺さんの言葉にアースは振り向いた。

「んあ?いやぁ……助けられたのはこっちだし……お互い様?っつうかあいつに武術教えたのあんただろ?スゲェよなぁ、機会があったら俺も教えてもらいてぇんだけど……どうかな?」

 キラキラした目で見られた爺さんはまんざらでもない表情でポリポリと頬を掻く。

 そして、キャラ達が謁見の間で目にしたのは……組手で汗を流す爺さんとアースだった。

「なぁにやってんだ!!このっ馬鹿者共!!」

 キャラの怒号にその場にいた全員がビクッと背筋を伸ばした。

「「キャラ」」

 くしくも爺さんとアースの声が重なり、双子の兄弟とステラが不思議そうな顔をする。


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