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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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再会のバトル-2

「おいおい、兄ちゃんだけじゃなくて妹も同性愛者か?」

 商品は花嫁のキスだろう?とわざとキャラの神経を逆撫でる言葉を言う。
 アースの言葉に、嘲笑と、王族に対する暴言への怒りの声が聞こえてくる。

「あんな可愛らしい花嫁ですからね。同じ女性でも味わってみたいと思うのは仕方ないでしょう?」

 キャラはアースの揶揄を軽く流した。
 アースは木刀を肩に置いてクックッと笑う。

「俺はどっちかっつうと、お前さんの方がタイプなんだがな」

 アースのセリフに会場からからかうような口笛が鳴らされた。

「あら、では私に勝てたら私をお好きにして構いませんよ?」

 キャラの返事に会場が更に盛り上がる。

「その言葉、忘れんなよっ!!」

 アースはそう言うとジャケットを脱ぎ捨てた。
 短髪の黒い髪に健康的な肌、左目が金で右目が黒のオッドアイが光る。
 思った通りの人物の登場にキャラは微笑む。

「勝てたら……ですよ?」

 キャラは手に持った棍棒をクルクルと片手で器用に回してビシッと小脇に挟んで構えをとった。

「手加減無しだ」

 アースも両手で木刀を持ち、構える。

『始め!!』

 審判の言葉と同時に2人は突っ込んだ。

 アースの突き出してくる木刀をキャラは棍棒で受け流し、素早くしゃがむと脚払いをかける。
 アースはそれを後退して避けた。
 そこへ、しゃがんだままのキャラが棍棒を跳ね上げる。

「いっ」

 棍棒はアースの前髪をかすめ、切れた髪が何本か散った。

「っぶねぇなっ!!」

「手加減無しでしょう?」

 再びクルクルと棍棒を回しながら構え直したキャラは、アースの出方を見る。

(空気読めよ)

 ここはわざと負けて俺のもんになるべきだ、と小さい声で言ったアースに、同じく小さい声でキャラは言い返す。

(こっちの都合も考えろ。相変わらず突拍子ねぇな)

 いくらなんでも、姫がわざと商品のように扱われる訳にはいかない。
 ボソボソと会話をする2人の様子に気づいたラインハルトは怪訝な顔をする。
 そこへグロウが戻って来て、双子の兄弟に教えた。

『あいつが俺の分身、アースだ。半年ぶりの再会が格闘バトルか……奴ららしいな』

 心底面白そうに伝えるグロウの声に、驚いた兄達はもう一度広場に目を向ける。
 あれが大事な妹姫の男かと思うと、心中かなり複雑だ……。


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