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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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再会のバトル-3

「彼は強いのか?」

 ギルフォードに聞かれたグロウは首を傾げて答える。

『少なくともゼビアに居た時は勝った事ねぇなぁ……半年でどれだけ腕をあげたか見ものだな』

 グロウの答えに双子の兄弟は改めて会場の2人へと視線を移した。

 そんな会話が交わされている間も、アースとキャラの攻防は続いていた。
 力強いアースと華麗なキャラの戦いは観る者達を魅了する。
 攻撃範囲が広い分、今の所キャラのほうが優勢。
 アースは防戦一方で棍棒から逃げ回っている。
 しかも、タイトなミニスカートなので、チラチラ覗く太ももについ目が行ってしまう。

(くそぅ〜…触りてぇ〜…)

 これも作戦というか演出というか、とにかくわざと見せつけているのだろうが……かなり目の毒だ。
 アースは必死になって持てる理性を総動員して、バトルに集中しようとしていた。
 ところが、長引けば長引く程キャラの方が不利になってきた。
 瞬発力はあるのだが、どうも持久力に欠けるのだ。

「はっ……どうした?キレが悪くなってきたぞ?」

 キャラは肩で息をしながらアースを睨み付ける。

(体力馬鹿め……)

 半年前ならとっくに決着はついてるハズなのに、決定打が打てずにイラついたキャラは焦った。

 そこをアースにつけこまれた。

 一気に距離を縮められて連続的に攻撃を仕掛けられる。

「わっ!たっ!いっ!!」

 素早い攻撃を防ぎきれず、手元に強く木刀を叩きつけられ、手がビリッと痺れたキャラは棍棒を落とした。
 落ちた棍棒を急いで拾おうとしたキャラより先に動いたアースは、棍棒を遠くへ蹴り飛ばす。
 カラカラと音を立てて転がっていく棍棒。
 すかさず、キャラの首に木刀を突きつけたアースは不敵な笑みを浮かべた。

「俺の勝ちだ」

「……参りました」

 素直に負けを認めたキャラの言葉に、会場がワアッと盛り上がる。

『10人抜き達成!!』

 歓声を受けたアースは軽く手を上げて応え、その手をキャラに差し出した。
 悔しそうな表情のキャラはアースの手を取る。

「腕あげたなぁ」

 正直負けるとは思っていなかった、と言うキャラの手をグイッとアースは引いた。

「はは……俺も勝てるとは思わんかった……兄王!!約束通り、妹姫をお借りしますよ!!」

 アースはラインハルトに向かって宣言すると、指笛を吹いた。

 一瞬、太陽が陰ったかと思ったら巨大なドラゴンが広場に舞い降りる。

「アビィ!」

『キュッ』

 嬉しそうなキャラの呼びかけに相変わらずの可愛い声で返事をしたアビィは、2人が乗り易いように身を屈めた。


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