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THANK YOU!!
【純愛 恋愛小説】

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THANK YOU!!-2


「えっと・・どこだ・・?」

校門で手渡されたクラス発表の紙を睨むようにして自分の名前を探す。
苗字的に、出席番号は後ろの方だ。
3クラスある内、真ん中のクラスの下・・
“36番 八神瑞稀”
と、書いてあった。

「あった!・・2組か」

瑞稀は自分の名前が2組にあったことを確認すると、肩を叩かれた。

「おはよ、瑞稀ちゃん!」
「あ、おはよう、莉奈」

そこに居たのは、優しい笑みを浮かべる元クラスメイト‐佐倉莉奈。
瑞稀が4年生の時に、仲良くしてくれた友達だ。
二人は必然と教室に向かって歩きだした。
階段を登ったところで、莉奈が改めて口を開く。

「瑞稀ちゃん、2組なんだね」
「あぁ。莉奈は?」

瑞稀は前まで一緒に住んでいた叔父に懐いているせいか、言葉遣いが男っぽくなっている。
莉奈は顔を歪めた。

「私、3組なんだ。」
「・・そっか。じゃ、今年は違うクラスか」

ふと紙に視線を落として見つけたのは、違う女の子の名前。
だが、それは瑞稀にとっては見慣れていない名前じゃない。

「あ、千晴も3組か」
「そうみたいだね!」

莉奈は少し安堵の表情を浮かべた。
千晴、というのは、瑞稀の幼馴染みで、家族ぐるみでお付き合いしている。
木ノ瀬千晴(きのせ ちはる)‐瑞稀にとって大切な幼馴染みだ。

「千晴も居るし、大丈夫だよ」
「ありがとう!」

ちょうど莉奈がお礼を言った所で、それぞれの教室の近くに。
すると、莉奈の友達が手を降って莉奈を呼んでいた。

「あ・・、行かなきゃ・・ゴメンね、瑞稀ちゃん」
「いいよ。大丈夫!じゃ、またね!」

瑞稀が笑顔で答えると、莉奈は安心したかのように友達の所に行き・・
3組の教室へと入っていった。

その姿をぼんやり見つめながら、瑞稀は一つ先に見える2組の教室に不安を覚えた。

ただでさえ、明るい性格とはいえ、目立つ事が嫌いな瑞稀は口下手でなかなか環境に馴れずらい。
そんな時に助けてくれたのが、莉奈だったのだ。
本当は、心のどこかで同じクラスが良いと願っていた。
だが、実際は叶わなかった。
落ち込んだ気持ちをそのままに、重く感じる2組の教室のドアを開けた・・。



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