第10章-2 -1
当時、村の年頃の男女比は男1人に対して女5人という状況だった。当然相手のいない女が出てしまう。だがそれを放置して村が先細りになるのをおめおめ手をこまねいているわけには行かない。そこで生殖能力のある男たちは全員村の女達を拒まず抱き、産まれた子供は村全体で育てることに決まったのだ。40になる寿一も何人もの女を朝に夕に抱いた。
だがそれが当時22だった早栄には耐え難いものだった。
『…解ってます。もう我儘は言いません』そう言って早栄は三つ指をついて頭を畳に擦りつけた。
『…もういい。疲れただろう。まず風呂に入って来なさい。夕餉の支度をしておくから』そう寿一は優しく言った。
入浴を済ませて浴室を出ると、脱衣所の籐籠には糊のきいた浴衣と帯が畳んで置かれてあった。
東京とは比べものにならない温かさに今度は別の涙が溢れる。
早栄は胸がいっぱいで夕餉は余り喉を通らなかった。
『早栄、もういいのか?』静かに寿一が尋ねると『はい。何だかもうお腹がいっぱいで…。残してしまってすみません』と頭を下げた。
『そうか。じゃぁいらっしゃい』寿一はすっと立ち上がると寝室に向かった。早栄はその後を付いていく。
二つ敷かれた布団の中ほどに寿一は胡座をかくと早栄の手を引いて自分の前に座らせた。
『お前がいなかった2年間で村にはようやっと子供が3人出来た。一人は恐らく俺の種だ。だがまだ十分とは言えない。早栄はきっと辛いだろうが、もうしばらく耐えてくれ』
そう言うと、寿一は早栄を抱き寄せた。早栄は安堵の溜息を吐く。
寿一は、手を早栄の背中に回して帯をするりとほどき、袷に手を入れ肩から浴衣を落として早栄を裸にすると静かに横たえた。
『乳が張っているな…』寿一は二回りほど大きくなった早栄の乳房を両側から掬うように寄せると、先端を舌で刺激してやる。すると早栄は、
『兄さま…お乳…飲んでください。兄さまに飲んでほしい…』
寿一が左右の乳首を交互に吸う。少し血の香りのする薄甘い味が口中に拡がる。強く吸われると両の乳房に張り巡らされた乳腺に電流が走るほどの快味が走り、早栄は仰け反って悦がった。
『早栄、お前の中を舐めてあげるから脚を抱えていなさい』兄の言葉に早栄は顔を紅潮させて自分の膝裏を抱えた。寿一はそのまま早栄の腰を持って性器を天井に向けると早栄の膣に舌を挿れた。寿一の舌はどんどん伸びて早栄の子宮口に到達する。だがそれは更に伸びて、出産で下りた子宮頸部の周りを舐める。
『…ん…あっ…ああああ…』早栄は久しぶりの兄の舌に蕩けそうになる。
寿一は更に舌を伸ばして子宮口に入れた。舌はどんどん長くなり、子宮内膜を丹念に舐め回すと、『っんぁっああっあああああっっ!!』早栄はとうとう腰を引き攣らせて絶頂に達した。
寿一はゆっくり舌を引き抜くと、今度は早栄をうつ伏せにし『腰をあげなさい』と命じた。
そして早栄の後孔に舌を突き立てるとず…ず…と少しずつ直腸に挿入し、その内部深く丹念に舐めてやる。早栄はもうひとたまりもない。『ああっんぅ…んんんんんっ』狂ったように頭を左右に振って再び逝った。
『これで後ろもほぐれたろう。尻を広げなさい。』兄がそう命ずると、早栄は脚の付根から尻たぶまでを掴んで大きく広げた。
寿一が屹立したおのが性器を更にしごくと、それはやがて上下二本に割れた。
早栄の膣と後孔に、割れた性器の先端をそれぞれあてがい、ゆっくりと埋め込んでいく。
早栄は待ちに待ったその感覚にうめき声を上げながら敷布を掴んで感じ入っている。
『あああ…兄さま…すご…い…ああああ…』
早栄の前後の孔が長大な雄性器を根元まで呑み込むと、寿一は力強く抽挿を始めた。
その日は明け方まで早栄は啼かされた。