PiPi's World 投稿小説
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No340-01/31 00:05
男/賢
P901i-oDey9rh2
あの日
僕を引き止めたもの

か細い雨音

ほどけたくつひも

少し反応の遅い
でも
よくみがかれた自動ドア

たったそれだけ
そんなたくさん

そして今

後悔をポケットに握りしめる
No339-01/30 23:59
女/木蓮
P902i-3eLWE.NG

君の姿が小さくなるのを
僕はただ黙って見つめることしかできなかった

手を伸ばせばまだ君に届いたはずなのに……

それをしなかった僕は
ただの弱虫さ

君を今以上傷つけてしまうのが恐くて
君から逃げたかっただけなのかもしれない

でもそのせいで君をもっと傷つけてしまった僕は



最低なんだよ……
No338-01/30 22:36
女/苑寿
N900i-Jaqmc1as

はらはらと
はらはらと舞う雪は
私の髪に
肩に
降り積もる

不思議ね
雪は空から舞い降りてくるのに
なぜかしら
自分が空に吸い込まれそう
汚れない白い雪に囲まれて空に昇れたら
私も汚れない白に戻れるかもしれない


この身にどれだけ雪が降り積もったら
私は空に昇れるかしら…
No337-01/30 22:33
女/稍(やや)
SN25-uvrABlXC
『Fallen』

遠くのものは手が届かないから
私はいつも“落ちて来い”と思う
落ちて来い 落ちて来い
私のところに落ちて来い

まんまるな夜月
真っ青な空のくも
体育館の天井

そんなところで笑ってるきみ
No336-01/30 22:26
男/デルタ
PC-8QneLL47
たとえば人生には初めと終わりがあって
それを結ぶ直線のうえを僕は走ろうと思った
喜びや悲しみや愛しさや憎しみは、そこに無いことを知っている
脇道に逸れたなら、美しい景色が広がっていることを知っている
行き急いで
逝き急いで
それでもなお、僕は生き急いで

無限に広がる未来へのルート
選びとる最短の一筋
哀れみの眼差しも遥か彼方に
僕は選んだ、そういう生き方

君に逢うために
ただ、君に逢うために
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