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No873-07/13 23:32
男/コルト
TS3H-65VWs5.x
「きみがヒバリを日本刀でぶった斬ったんだよ?」
「うん、そのはずだけど」
「現に日本刀は血肉塗れだよ」
「そうだね。切れ味落ちたよ」
「でもね、でもさあ」
「うん」
「確かにド真ん中から両断したはずなんだよ? 私が見る限り」
「うん、ぼくも真っ二つにしたつもりだよ」
「でもでも」
「わかってるよ」
「なんで生きてんの?」
「あー、すまん。体質なんだ体質。遺伝とか人間高性能だわー」
「死ぬまで殺すしかないようだよ?」
「あー、言っとくけど。殺す暇なく死ぬぞキミタチ」
執筆中のやつから抜粋
「きみたち」で
No872-07/13 19:17
女/未知流
D903i-pQd8iMeO
欠伸をすると、すぐ隣に座る彼女が僕を睨んだ。彼女と観ている映画がつまらないからではない。昨日までここ一週間はろくに寝ていないのだ。しかし彼女はそうとは知らない。容赦なく僕を睨む。
それから一時間後くらいに映画が終わり、彼女は腕を伸ばしながら「疲れたあ」と上半身を横に倒した。僕はこれ以上疲れようがないほど疲労を感じていたので、何も言わない。
「これ、返却してきて」
デッキを指さして彼女が言った。「今日、返却なの」と。
「いいよ。帰り道にあるとこだよね」
「あ、待って。お醤油切らしてるの。ついでに買ってきて」
「じゃあキミが行けばいい」
「行ってきて」
大丈夫、キミがいない間に出て行ったりしないよ。という言葉を飲み込んで僕は立ち上がった。
「はいはい」
帰ってきたら一度眠ってもいいだろうかと考えながら、財布とDVDの入っている袋片手に靴を履く。
ふと振り返ると、見送ってくれるのか、ソファにいた彼女が目の前にいる。1DKだから大した距離ではないけど。
「おもしろいね」
「なにが?映画?」
「キミが」
初めて参加してみました!
お次は『きみが』で。
No871-07/13 00:45
男/リンク
P905i-nP6yOWCN
>870より
しまったり出したり、忙しい事だ。ファッション・ショウじゃあるまいし…と、僕は鏡の前で大騒ぎしているシズクを眺めながら呆れていた。
「あぁ〜!この柄じゃ太って見えちゃう!」
「もぉ〜!ボタンが取れてるじゃない!」
「ガァ〜!キツくなってる!」
あのさ…普通なら、出かける前の日には、着る物くらい決めておくもんじゃないの?…女性なら。
「何よ!うるさい!今はアンタを構ってやってる場合じゃないの!」
シズクは、一度袖を通して脱いだ服を僕に投げ付けてきた。僕は難なくそれを躱し、クローゼットの上に飛び乗った。八つ当たりすんなよ〜…と言うつもりで、一声ニャアと鳴いてやった。
シズクは僕どころではないようだ。遅刻する、遅刻する…とブツブツ呟きながら、まだ衣装決めに手間取っていた。
ホント、次の日がデートだから気が昂って寝付けないのは分かるけどさ、翌朝にはシッカリ目覚めなくちゃダメだよ…。どうしていつも肝心な時にしくじるのかね、君は。
「あぁ〜、どうしてあたしってこうドジっ子体質なんだろ?」
そんな風に言えば可愛く聞こえると思ってるから改善しないんだよ…。僕は大きく欠伸した。
Next→『あくび』で続けて下さい♪
No870-07/12 17:31
女/凪
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かじったドーナツを皿に戻し、きみは
「やっぱりいらない……」
と遠慮がちに言って俯いた。
そして、
「……口つけておいてごめんね。気持ちだけ、受け取っておく……」
と、対面するぼくの顔色を伺いながら小さい声で付け足した。
その様子に、ぼくは無性に腹が立ったんだ。
きっと、いつもこうなんだろう。
言いたいことを飲み込み、自分を消して相手にあわせてるんだ。
「食べたければ食べればいいじゃないか! きみはちっとも太ってなんかいないよ! ダイエットなんて必要ない。あいつはただきみを罵倒したくてチビデブブスと言っているだけなんだ!」
感情にまかせて叫ぶように言ったぼくを、きみは目を見開いて見つめてきた。
そして、なにか言いたげに口をパクパク動かしたあと、ふいにまた顔を伏せて大きくため息をついた。
「……ブス? はじめて言われた……」
一瞬、なにを言っているのかわからなかった。
「………は? あ、いや、ち、ちがッ」
しまった!
ぼくはとんでもないことを言ってしまった!
*Next「しまった」で
No869-07/03 21:07
女/アユミ
823SH-U7UbYFWO
自分でもよくわからなかった。
『私は何をしたいんだろう?』
屋上にあがると、ヤナがいつもの場所に座っていた。
ヤナがみんなとお昼ご飯を食べたくない理由は、なんとなくわかる。
ヤナの傍らには、いつものように購買部のビニール袋。
その小さな袋の中身は、きっと惣菜パンとコーヒー牛乳。
「―――ヤナ」
背後から急に名前を呼ばれて、ヤナは少し驚いた顔で振り向いた。
「私さ……なんか急にパン食べたくなったから……交換してくんない?」
自分で作ってきた弁当を無造作にヤナに差し出す。
「……いいよ……相原が作ったの?」
「……うん」
なんだか急に恥ずかしくなってきた。私何やってるんだろう本当に……。
ヤナは弁当の蓋を開け、卵焼きを指でつまんで頬張った。
「うまい」
ヤナのいつも寂しそうな瞳に、ほんの少し幸福そうな輝きが宿るのを見て、私はホッとした。
「また、たまに交換してよね」
わざとぶっきらぼうに言いながら、私もヤナの横に座って、奪ったパンをパクリとかじった。
初参加です!次は「かじった」で。
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