PiPi's World 投稿小説
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No617-2009/06/28 03:27
リラ(F704i)
意外と大丈夫なもんなのだ
何があったって
自力でなんとかするしかないことを
我々は知ってる

其の子を御覧
はいはいすら未だ出来ない其の子
自分で転がって
椅子の下に入り込んで
だけど手足をばたつかせ
身体を捩り
ちいさな右の手のひらに力を込めて
自力で出て来て笑ってる
出て来れなければ泣いて呼ぶ

呼ぶことだって自力で救済する手段だから
呼ぶ相手を決めて
呼ぶだけのちからを溜めて

其方は大丈夫かい
発信することだよ
ゆっくりでいいから
段に足をかけて御覧
其処は
自分で何とかしないと何ともならない

ひとと拘わるのは疲れるね

ゆっくりねんねして
また明日遣ってみればいい
此方も
グラスが空に為ったら

年の功
もがいた分だけ足腰強くなる
No616-2009/06/27 22:04
フロムポスト(CA38)
少し疲れたな、と口に出して言ってみる。
誰かに聞かれないように、一人で言ってみる。
だって聞かれたりしたら、また面倒くさいだろ?

どうしたの、とか
大丈夫か、とか
頑張って、とか

そんな言葉をくれたら、その言葉がどれだけ本気なのか考える間もなく、ぼくはありがとうと言ってしまう。
でもありがとうと言えば言う程、ぼくは疲れていくんだ。

ねえ、その言葉はどれだけ本気なの?
明日の朝、君が起きた時、そう言えばあいつは大丈夫だろうか、と少しは思っていてくれるの?
No615-2009/06/24 02:21
デルタ(PC)
この出会いは運命だって
クダラナイ妄想はやめてくれ
胃がムカムカする
平たく言えば吐き気がする
簡単に言えば大嫌いだ

だったら
今、君に冷めた視線を送るのも運命で
今、どこかで響いている銃声も運命で
いつか僕らが死んでいくのも運命か

もし仮に神様がいたとして
ただ一つ願いを叶えてくれるというのなら
もうこの世界に関わらないように
カミサマという無能者よ
消えてくれと唾を吐き捨てるだろう

だれもかれも不平等に振り分けられた幸福は
創造者の限界の顕れだろう?
違うというなら
あの黒人の悲鳴は
その白人の涙は
この僕の苦しみは
望まれたモノだった?

無限に歪な箱庭を見て
満足そうに笑うカミサマ
それが与え給うた運命

さぁ
もう一度言え
僕らが今、ここにいる
これを運命と呼ぶか
No614-2009/06/16 20:43
賢(PC)
猫は柵の上を歩く

あちら側
こちら側

行ったり来たり

どちらにも行かなかったり

気分次第の
バランス感覚

正しいか
間違いか

二択で悩む僕ら

楽しいか
退屈か

悩みたくなくて
生み出したのは
またしても二択

猫は柵の上を歩く

選ばないという
バランス感覚
No613-2009/05/21 16:27
コルト(TS3H)
本日も電車に乗ります
痴漢の手は180度ひねって
外の景色眺めれば
忘れていた空の青

各駅停車のこの電車には
チャンスがひしめいてる
「どのチャンスを掴みますか?」
人生の難題に
私の答えは未だに空白のまま

やがて青は赤に変わり
老夫婦は降りていく
とある駅を境に各駅停車は
特別急行に変わってしまった

数減らされるチャンスを
傍らで眺めてる
今のわたしには
それをつかむ力がない

時間を巻き戻せたらいいのになあ
そんなことを考えていたら
終着駅はすぐそこに
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