PiPi's World 投稿小説
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No622-2009/09/24 17:57
荒廃(SN3J)
もうこれ以上は
進めない気がしてる

かつて無限に思えた世界が縮小したのは

きっと俺が切って捨てたから

頭を下げました
罵倒されました
権力の前で
無力を感じました

俺の存在は
組織の歯車になり

俺の血液は
ただ流れるばかり

磨耗した体で
ドアを開ければ
そこには無垢な笑顔

利益も見返りも
建前も何もかも

何も含まない
純粋な笑顔

ならば俺は
歯車で構わない
俺を縛りつける
不自由さよ

今はそれが
俺の原動力
No621-2009/08/27 02:03
コルト(TS3H)
後悔が頭を駆け巡る
明日のことなんて
考えたくもなかった

失敗か成功で言えば
間違いなく失敗だった
かわいそうな自分はそれでも
悲劇のヒロインにはなれなかった

やるべきことがあったはずだ
ずっとずっと前から
後回しになどしてはいけなかったんだ
重りはどんどん追加されていく
一人では耐えきれなくなっても
助けがくることはなかった
No620-2009/08/07 22:38
ラーレ(N706i)
遠くで打ち上げられた花火

子供たちの黄色い歓声

夜風とともに風鈴の音が響き渡る

随分と聞こえなかった
それらの音が
懐かしい記憶を蘇らせる

誰が無くした無邪気な声

誰が亡くした故郷

誰が泣かした古き良き日々に

君よ、
何か無くしていませんか?
No619-2009/08/04 09:46
灰谷(931SH)
鍵のかからぬ部屋で寝てしまい
怖がる私が泣いていた
何故だかあなたが会いにきて
心配するなとハグをした

夢の中はエイリアンの世界
血みどろとグロテスクの間で戦士たちが蘇る
戦慄するのは生身の傍観者の私ばかり
見知らぬ恋人にまた窮地を救われる

気がつけば目の前には日本一のロックスター
一緒に食べてる中華料理は何の肉?
さっさと空腹みたしていなくなり
残されたのは半端な料理とちっぽけなファン

切り替わる世界は赤に染まって
未知の体液を噴き上げて魔物が倒れる
私はあなたと手を取り合って逃げて
首を折られて死んだ少女はエクスタシーと共に蘇生


意味不明な怒号を背に逃げ出したのは病院で
闇にしたら妙に明るい世界が私を迎えた
六畳一間、布団の上
ここは胸糞悪い一日の始まり


もう誰も教えてくれない
部屋の隅で恐ろしさに私が縋った
あなたが一体誰だったのか
空に舞い踊る白い何かが
本当にただの綿ぼこりだったのか


覚えているのはただ
必死でしがみついたあなたの
酷く大きく温い身体だけ
No618-2009/08/01 03:33
コルト(TS3H)
カーテン ふわり
風にゆれる
昼下がり 夏の陽射しを浴びて

まぼろしの 君が笑って
私は本を 閉じた

物語は必ずしもハッピーエンドじゃない
そういうふうに作られている

どこかで 聞いたセリフ
思い出して涙が出た

上げた分下げる
増えた分減らす
そうやって 今まで 生きてきたのに
何故だろう 納得がいかない

平等 は辞書には載ってなかった
平等 を見かけたこともなかった
平等 に苦しめ続けられて
なにかを失った
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