PiPi's World 投稿小説
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No653-2010/04/27 18:33
稍(やや)(SO903i)
『教育実習』

揃って頬を紅く染める
スカートをたくしあげ
憂いなどないかのよう


大丈夫大丈夫大丈夫
今までだってそうだった
見ていなければ
無いのもおなじ


ノストラダムスも嘘つきで
地球は結局滅びなかった
ミライノキボウも
ニホンノアシタも
パパがせいぜい頑張って
耳を揃えて与えてくれる


そう思ってた
あの頃の私たちに
君たちはあまりに似ていて

できるもんか

責めるなんて

******
No652-2010/04/20 14:01
荒廃(SN3J)
《パンフレット》

玄関の足元に落ちていたのは
幼い黒人の子供のパンフレット

「1日150円で救われる子供がいます」

123
123
僕は数える
123
123
ほうら何処かで
また一人死んだ

ミネラルウォーター飲みながら煙草に火をつけ
これで450円かと僕は思う

123
三人分だ
123
俺は三人の命を救えたはずだ

僕はパンフレットをゴミ箱に捨てる
罪悪感なんて微塵も感じない

ああどうして
僕らは
僕は
手を差し伸べないのか。

42型テレビ
最新型PC
新車のミニバン

マザーファッカー
No651-2010/04/17 11:48
稍(やや)(SO903i)
『春風さばいばる』

ぽかぽかひざし
緑のにおい
淡桃色のかぜまつり


川辺のきいろ
たんぽぽきいろ
千切れて飛んだ
菜の花きいろ

咲いたばかりの
チューリップ
びゅうとあおられ
倒れて横薙ぎ

春なのね
春なのよ
春なのに
なんでこんなに
冷たい風が頬をさす


****
No650-2010/04/08 18:29
デルタ(PC)
たかが60億分の1の命
もっと粗末に生きればいいのに

歩いた軌跡は明日には消える
その声はひと時の波
何も変えられはしない
一生の可動範囲など
俯瞰すれば、ただの点

人生なんて
きっと意味は無い
どうせいつかは消える命ならば
どうせいつかは消える命だから
跳んで
弾けて
知ればいい
それがホントウの自分だと
No649-2010/03/07 21:28
フロムポスト(HI3G)
なびいたり
たゆったり
繰り返して

燃えた証を残そうとするけど

見えてないのか
見ようとしないのか

君は目を瞑ったまま

頼りない体が夜空を霞める

君の体を蝕んだ後で

僕を吐き出す代わりに
何を溜め込んだの?

もう声はガラガラで矮小でしょう?

それだって
君にも伝えたい

星空を僅かに隠して消える

その間に
まだ泣けるなら泣いていいんだよ
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