PiPi's World 投稿小説
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No923-2008/12/22 04:06
ソロ(P904i)
信じてみる気持ちがあるかと聞かれれば、そりゃ俺だってばあちゃんの葬式には合掌しながら念仏だって唱えたし、万馬券に財布の中身すべてを賭けた時には居るか分からんがとりあえず神様に懇願したりもしたわけだが、だからっていきなりこんな目の前に現れて「わらわは神じゃ」なんて言われたって「はい、そうですか」と納得できるもんじゃないだろ。まず最初に「どひぇぇぇ」と驚いてそのあと「これが神の力じゃ」とか何とかなんだかんだとなし崩し的に頷いてくもんだろうよ。
それが何だ?
このチビっ子は?
「わらわは神じゃ。だからそれくれ」ってわけが分からないにも程があるだろ。それに加えて「お前には信心の心がないのか?」って腹痛が痛いみたいなおかしな日本語の使い方してお前は本当に神様かって言うんだよ。
とまあ、一通り批判的な意見もあることにはあるんだが、それでも今、実際にこうして白絹纏ったお子ちゃまがふわふわと空中に浮かんでる姿は現実なわけで。頬っぺたつねれば痛いわけで。
ああ、今、俺の中の常識ある世界が音を立てて崩れていった気がするよ。



次は「よ」で。
No922-2008/12/13 14:08
髭(SN39)
蹴った空き缶が綺麗に真っ直ぐ立ったのを見て舞は笑った。
「ねえ高橋くん。この世の全てに意味があるのなら、あれはどういう意味があるのかな」
天に向かって立つ空き缶は小さな塔にも見えなくない。何故か神秘的にも感じられる。
「ねえ高橋くん。私達がこうやって寄り添って歩くのにも、やっぱり意味があるんだよね」
「どうだろうね。あるのかも知れないし、ないのかも知れない」
「私はあるって、信じたいな」
そう言って彼女は、真っ直ぐ立つ空き缶をもう一度蹴った。空き缶はカランと音たてて倒れた。
「そうじゃないと悲しすぎるもの」
倒れた空き缶が車にひかれてひしゃげた。僕はきっとこれにも意味があるんだと、信じてみる気持ちになった。


次は『信じてみる気持ち』で。
No921-2008/12/12 01:15
F.M(PC)
「情けない。男が泣くなんて」
「な……泣いてない。差別かこの野郎」
「私は女なんですけど」
「性格は男じゃねえか」
「なんか言った?」
「何も言ってない……」
 はあ。全く、男はどうしてこう、すぐに強がるのだろうか。泣いてるくせに泣いてない。痛いくせに痛くない。女を頼るって考えはないのか。
 そもそも、お前が泣いてるのは私のせいだろうが。少しは私を怒ったらどうなんだ。
「だって、お前が泣くのなんかみたくないもん」
 私は泣かないっての。お前を蹴るだけだ。
「それもどうかと思うぞ……」
 なんか最近強気になってきた。私の教育の賜物か?
「教育……せめて、躾……」
 いやいや、違うだろうが。そこはせめて、君のため、とか言ったらどうだ?
「お前守る必要ないじゃん」
 蹴った。蹴りまくった。彼女なんだから守れよ。
「俺だってお前の彼氏なん――」
「うるさい」
「ごめんなさい」
 わかってるよ。お前は私の彼氏なんだから。これが私の愛情表現なんだよ、なんて。恥ずかしくて言えない。でも、言う。
「あのさ、好きだよ」
 びっくりしてる。あたふたし始めた。
「お、俺も好きだよ……」
 恥ずかしくて蹴った。

次は『蹴った』で。
No920-2008/11/30 22:13
たう(PC)
しくじりました・・・。
次は「情けない」で。
No919-2008/11/30 22:11
たう(PC)

握り締められた!
握り締められた!!
握り締められた!!!

手!て!

やった!すごい!素敵!なに?あの、あれ!ほら!

えっあっつなぐ?てぇ繋ぐの?
運命かしら、これって?そうよね、運命に違いないわ!
さっきからじっとこっちを見つめてたけど・・・気のせいじゃあなかったのね。私も気になってたの。以心伝心、かしら?

何かしら?彼が真剣な顔で黙ってる。
まさか・・・・・プロポーズ!?
そうだわ、私達は結ばれるのよ。だって運命の相手なんだもの。当たり前よね。

さあ、だぁりん♪なーんて。いつでもきて?





「奥さん、鞄の中のもの見せて。ったく、ホラ、事務室来て。万引きなんて・・・情けないねぇ」
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