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殺し屋のあなた
その他リレー小説 - アクション

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殺し屋のあなた 15

「あはははは!!誰の首を落としたのですか?」
クリスはルナの背後に立って、大声で笑う。
「・・・貴様」
レイザーはクリスだったものを見た。それは、人の胴回りくらいの木で、見事に切れていた。
「・・・珍しいわね。忍者かしら?」
「当たらずとも遠からず。ですね」
レイザーは何を思ったのか、急にクリスがいる方の逆方向に走り出した。
「気付いたようですね?カノンさんは今頃どうなっていることやら・・・」
クリスは気味の悪い笑みを浮かべると、黙ってレイザーの行方を見た。ルナはクリスから目を外さずに、ただじっと睨み続ける。
「どうしたんですか?」
「・・・そろそろ来ると思うのよね」
「くくく・・・一体誰が?」
ルナは満面の笑みを作り、腰に提げてある銃を抜く。
「『終わりを告げる鐘』・・・」
それと同時に撃った。その銃声は一発ではなく、明らかに二発分だった。それは同時に逆方向からクリスを襲う!
「待たせたな?ルナ」
「やっぱり来た」
ルナは可愛く笑った。
「お前が『C4』な訳だな?」
レイザーが訊く。二発の弾はクリスには当たらなかった。
「なぜ、それを?」
「クリス・コールライド・クロス・カズマン。お前の本名だな?名前の半分を偽名に使えば分かるだろ」
「隠す気がなかったものでね」
クリスは銃を抜いた。リヴォルバーだが銃種は分からない。
「いや、今日はドンパチはやらないんだ。」
それを見てレイザーは答える。理由はさすがに言わないが、クリスには大抵飲み込めていた。
今回の暗殺は、なるべく暗殺っぽくしないようにしなければならない。何しろ、世間中がフリーズ氏とプロイバ氏がいがみ合ってることを知っているのだ。すぐに怪しまれるだろう。
しかし、プロイバ邸内で撃ち合いになるとそりゃあもう護衛やら執事やら給仕に目撃される。
全員殺してしまえ!なんてのはもちろん却下だ。
もしプロイバ邸の関係者が全員を始末できたとしても絶対不自然だ。全員死体でもおかしいが。
つまりプロイバ氏が一人でいる時にこっそりやって、死体を始末して、行方不明にするのが一番な訳で、ターゲットの住処に乗り込む!なんて派手なことは避けるべきだ。
「それに、カノンはあたし達がちゃんと捕獲してるしぃ〜★」
ルナはラストが来たことに安心したのか、すごくかわいらしく笑う。
「まさかっ!!」
クリスは信じられないような顔でルナを見た。
「嘘は言ってないわよ。考えてみなさいな、はじめここに来たのはあたしだけでしょ?ラストはあたしが、あんたとレイザーの気を引き付けてるうちにカノンを連れ去ったの。レイザー達の部屋を見ることね。あんたのマヌケな部下が冷たくなってるんじゃないのかしら?」
ルナは笑って言う。
レイザーはルナの言葉を聞いて安心した。

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