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死神ノ唄
その他リレー小説 - ファンタジー

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死神ノ唄 1

※この作品はホラー風味ファンタジーですホラー程怖さは無いので御注意下さい



 この世界には゛死神゛と呼ばれる存在がいる
一説には゛天使゛の役職の一つとも言われているこの仕事だが真実はよくわからない
ただ一つ言えるのは…魂の葬儀屋だとゆうことだ

 意外と組織じみていて…
「病死課」
「事故死課」
「他殺課」
「寿命課」etc
と…担当ごとに部署が別れている

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 今回はそんな部署の一つ…「自殺課」の死神について語ろう

 この部署は、もっとも仕事内容の変化が大きい部署と言える
政の混沌の中の責任を被っての服毒等から始まっていき、けじめの切腹、大日本帝国万歳の集団自害まで歴史の表裏で時代事の自殺の形が存在した…
そして現在…苛めやリストラ、孤独感の末での自殺者が一番の仕事対象となっている


「さて…今回のターゲットはと……」
適度な長さに切られた黒髪に漆黒のスーツまさに葬儀屋の様な黒一色の男が、町中にたたずんでいる

彼はこの地区担当の自殺課死神…現世での名は「久遠」……仮初の名でしかないのだが本人はそれなりに気に入っているようだ
死神は人の目には映らない…唯一、死期が迫った人にのみ姿が見える

 彼の今回のターゲットは中二の女子…
名は「光井 遥」…いわゆる引きこもりだ
その日、遥は引きこもり始めた当初から考えていた自殺を実行しようとしていた。
遥は念入りに自室のドアノブへ巻き付けられた延長コードに首を掛け、自殺のタイミングを待っていた。
何者かが玄関のドアを開ける音が聞こえるのと同時に遥は身体を滑らせ、自殺を実行した。
次の瞬間、遥の目の前に漆黒のスーツを纏った35歳前後の男が立っていた。
遥は突然現れた男に驚き、「誰ですか!?」と叫んだ。
だが、一階に居るはずの母親からは何の反応も無い。
突然の事へ戸惑う遥に男は説明を始めた。
「俺の名は久遠。俗に言う死神の一人だ。」
そう名乗ると、男は腕時計をチラリと見て、続けた。「午前11時9分32秒。たった今、君は死んだ。」
「えっ!?まだ、あたし、生きて…る…?」
「いや…死んだんだ。証拠に、自分の手首を握ってみなさい。」
「あれ…?脈が無い…。」
「君は死んだ。これから君は、冥界の事務所で<命の清算>の手続きをしなければならない。」

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