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異世界へ…
その他リレー小説 - ファンタジー

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異世界へ… 1

一人の女が荒野で泣き崩れていた。その膝には長い茶色の美しい髪をもった女が、目を閉じて仰向けになっていた。
「シオン、シオン、ねぇ目を開けてくださいよ、シオン…」
膝の上の女の唇は青く、冷たい。もう二度とその目が開かないと分かっている、しかしそれでも彼女はその名を呼び続けた。
そこへ一人の少女が現われる。邪竜パレイオスにより滅ぼされた人類の数少ない生き残りだろう。
「ここはもう冷たい場所、ここで生きていくのは難しいわ…」
少女はそう言うと泣き崩れる女に手を差し出した。
「私はユリ、もう泣かないで…、一緒にいきましょ?」
泣き崩れていた女は少女を見上げると、差し出された手を握り立ち上がった。
「私の名はベルーナ、さっきまでこの方の護衛をしていたわ…」
普段の彼女なら見知らぬ少女の話など聞きもしないだろう、しかしこの時の彼女は守るべき人を失い目の前が闇に閉ざされいた、今の彼女にとってその少女だけが希望の光りに見えていた。
「私、違う世界への“扉”を見つけたの、一緒にいきましょ?」
ベルーナにはユリの言っている事がよく理解できなかったが、彼女はユリについて行く事にした。
それはユリのある一言で決心している。
“もしかしたら、この世界を救えるかもしれない、そしてあなたの膝で眠っている方も”



荒野の中を二人の女が歩いている。一人は少女で背もあまり高くない、もう一人は黄土色の長い髪に透き通るような白い肌、背中には2本の剣をクロスさせ、腰にはレンズの割れた眼鏡をぶら下げていた。
二人は荒野の真中で突然黒い球体に包まれると、その姿を消してしまった。
人類が滅亡したその世界で、二人の行方を知る者は誰もいない…


〜クエストフォースエピソード3へ続く…〜


   〜END〜


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