THE ENDLESS 81
ジークの言葉を誰かが遮った。
そこに居合わせた者全員が声のした方を向く。
そこには褐色の肌に白のターバンを巻き、腰には二振りのシャムシールを佩いたアラビスが颯爽と立っていた。
「貴方は、瑶山にいた…名前は確か…」
「アラビス。今は半月に身を寄せております」
重く、地の底から響くような声でアラビスが答える。
「覚えておいでですか。至極恐縮にございます」
「目的は…聞くまでもなく、我々の妨害ですか」
「はい。その為、このように…」
アラビスがスッと右手を上げる。それを合図に幾人かが、武器を構え、現れる。
「願わくば足を止めていただい、槍瀑公」
アラビスが鞘鳴りを響かせ、双刀を抜いた。
「ちょっと待て!」
「鞦韆…降りましたか。賢明な判断ですな。しかし…作戦通りアジェストは戦闘不能ですか」
「ナガレは何を考えてこんな……戦力の半分以上を使って……全面的に戦うのはまだの筈や!」
「ナガレ殿は色々考えていらっしゃる…それ以上は私に話す義務はありません」
その言葉を最後に、戦いが始まった。
【Mystic Solution】
会議室にMysticのジークと桃樹を除いた面々が集まっている。
その中で、颯葉は長机に両肘をつき、静かにその紅玉のような瞳を閉じている。
カフカは腕を組んで壁にもたれかかり、ロキは口許に不敵な笑みを浮かべて両足を長机の上に放り出している。
煌夜の姿は見えない。