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THE ENDLESS
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THE ENDLESS 65

翌朝――
 
「あんたが白か…」
 
光羽は再び例の席に着いていた。
 
「まずは自己紹介からだな」
 
白と思しき長い白髪・白髭が言った。
他の二人は円卓に於いて丁度光羽の反対側に座っている。
 
「黄泉だ…顔色が悪く見えるだろうが気にするな…因みに私は“悪魔”だ」
「ガラシャです。“人魚”のプログラムを持っています」
 
白が君もといった仕草をする。
 
「知ってるだろうが輝赫帝の光羽だ」
「よしよし…」
 
白は満足した様子で話し始めた。
 
「光羽君には、今日から昼夜問わず働いてもらう」
「質問」
「何だね?」
「この事を想定した上で、俺を24時間動ける様にしたのか?」
「その通り。他に質問は?」
 
白がやけに親切に聞く。
 
「無い」
「そうか。では光羽君に潰してもらうバグのリストを見せよう…」
「どれ…」
 
 
光羽は三度驚きの色を見せた。その内二度は見覚えのある物だったからである。
 
「これを全部潰す事ができたら…君を現実世界に帰してあげよう」
 
白が満面に笑みを湛えて言ったが、光羽はその中の腹黒さに鳥肌が立つのを感じた。
 
 
 
 
【Mystic Solution】
 
「桃樹、結局昨日は光羽さんは来なかったな…」
「うん…そういえばジークはどう思ってるの?」
「どうって?」
「暫くQuzensにいるかどうか」
「うぅん…」
 
実はジークはまだ答えを決めていなかった。
「桃樹はどうするつもりなんだ?」
「えっと…僕は…僕はね、行ってみようと思う」
           桃樹は少しためらう様に俯きながら言った。
           「光羽さんもいなくて…マスターも何だか元気ないけど…だからこそちょっとでも強くなりたい」
           顔を上げた桃樹にはしっかりとした意志が浮かんでいた。
           「…僕は行ってみるよ」
「そうか…」
「ジークはどうするの?」
           その問いにしばらく宙を仰いだ後…
           「俺も行くよ。桃樹だけじゃ心配だし、向こうで強くなって何かギルドに貢献したいしな♪」
「うん♪強くなって光羽さんを驚かそう!」
           こうしてジークと桃樹はQuzensの臨時メンバーになることを決めた。

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