THE ENDLESS 43
『ハッハッハ…私達は飽く迄傍観者に過ぎん!そうだな、例えるなら私達は働く蟻達を観察し、時には最小限の手を下す子供の様なものだ!ハッハッハ…』
『神気取りですか…?』
『ん?そうかも知れんな…それより、宝玉装備に際する注意点だ…それは一度装備すると、二度とはずす事ができない。後、レベルの上がる速度が下がってしまう』
『……』
『他にも私は縛りを考えた。賊の退治後は誰かに雇われなければ行動してはいけない…とかな。後、強者に相応しい話し方を心得て欲しい…一人称は儂、なんかどうだ』
「儂はそれを受け取り、西軍を勝利に導いた。退屈という名の悪魔に急かされてな」
「は…その開発者兼管理人とやらが羨ましい」
「それはどういう意味だ?」
「俺には気持ちが分かるという事だ…」
光羽は宙から青銅剣を取り出した。全体装備はそのままである。
「実際俺はお前と闘いたくは無い。やめるなら今の内だぞ?紫弦」
【地下】
黒と紅の刃が踊る。
それは舞う様に華麗であり…
それは処刑の様に無慈悲でもある…
ガキィィン!
今、一人の武器が弾き跳んだ。その者は慌てて武器は変更しようとする。
しかし…
トスッ、トスッ!
横から矢が降り注ぐ。致命傷ではないが、動きが一瞬──ほんの一瞬止まる。
その一瞬を狙い、刃が首と胴を切り捨てた。
「助かった」
凛と透き通った声。黒塗りの鎧をその身に纏った緋色の瞳の女性、【Mystic Solution】のマスターである颯葉が矢を放った男に礼を言う。
「お礼なんて…」
クゼンの部下の一人である男は顔を赤らめながら、答えた。
ズシャッ…
その礼が最期の声となった。背後から切り付けられ、男はゆっくりと倒れ込み、消えて逝く。
僅かの出来事だった。男はもちろんのこと、颯葉ですら反撃出来なかった。
「剣姫とお見受け致します」