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Gear〜鍵を成す者〜
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Gear〜鍵を成す者〜 14

「どうしたんです?」ベルーナは怪訝そうな顔をする。
シオンは無言で何かを指差した。その指の先をたどると、テアがいた。しかしそれはどう見てもただの石像にしか見えない。
「あれがどうかしたんですか?」
「……石像がのっている台に錬製陣が刻まれています、何かの条件であの石像が動くのでしょう、例えば“侵入者が来たら食い殺せ”とか」
そう言うと二人はゆっくり歩き始めた。
「よく考えたら、あなたにそんな事言う必要なかったですね」シオンは笑った。
「……」ベルーナは笑わない。
「……そのぶんだと錬金術の勉強してないですね?まったく、剣術ばかり鍛えて……」シオンは深い息を吐いた。
「これからしようと思ってたんですよ」ベルーナは笑った。
「……分かりました、行きますよ?」呆れた顔でシオンは言う。
ピンッ、シオンの指がなるのと同時に、廊下の左右にある二体の石像が、錬製陣の光で青く照らされた。
スタッ、ベルーナは床を蹴った。彼女は低い姿勢を保ちながら跳び、石像の真ん中で着地した。
「ガルルルル……」石像だったテアの目が赤く光る。
カチャ、そして剣をおさめる音がした。
「いやあ、シオンの錬金術はすごい」ベルーナは二匹のテアの真ん中で立ち上がった。
二匹のテアは鉄格子を噛んだまま生き絶えていた。
「私にはあなたの剣術の方が、すごいと思えますが」シオンは頬をかきながら笑った。
スタッ、ベルーナは床を蹴った。彼女は低い姿勢を保ちながら跳び、石像の真ん中で着地した。
「ガルルルル……」石像だったテアの目が赤く光る。
カチャ、そして剣をおさめる音がした。
「いやあ、シオンの錬金術はすごい」ベルーナは二匹のテアの真ん中で立ち上がる。
二匹のテアは、大きな口で鉄格子を噛んだまま生き絶えていた。
「私にはあなたの剣術の方が、すごいと思えますが」シオンは頬をかきながら笑った。
頭部に穴のあいたテア。それはシオンの錬製した鉄格子に噛みついたまま、ぼろぼろと乾いた粘土のように崩れていった。
その残骸を見てシオンは言った。
「“獣型ゴーレム”ですね」
「という事は、あの扉のむこうに“術師”がいる?」
シオンは鉄格子に手を触れた。シオンの掌が青い光に包まれる、すると鉄格子は天井や床に吸い込まれて消えた。
「しかも“アデプト”のようです」残骸をつまみながらシオンは言う。

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