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6種族の勇者達
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6種族の勇者達 1

この世界は人間族、獣人族、悪魔族、天使族、竜人族、妖精族(精霊、エルフなどの少数民族の総称として使われている。)、魔族(魔物)の7種族が魔族と6種族で争っていた。最初は6種族側が有利だったが、悪魔族の長が寝返り、さらに悪魔族の長と魔族の長の強大な魔法により残りの6種族の半数も魔族側についてしまった。
6種族側も抵抗したが圧倒的戦力を覆すことができず、状況不利のまま数ヶ月が過ぎていた。
この日人間族の少年レンは森に遊びに来ていた。
「ん?…あれは竜人族の女の子!魔物に襲われてる!た、助けなきゃ!」
「コノサキダ。ワカッテルナ?」魔物は少女にそう言う。
「…約束を守るならばちゃんとやる」と少女は答える。
「…ウラギレバオマエノハハヲコロス」
「分かってる!…ここからは一人で行ける」
「たあ〜!」その時レンがナイフを両手に持ち飛び掛かってきた。
「チョウドイイ、テキトウニアイテヲシテヒクゾ(小声)」
「俺が相手だ!この娘には手を出すな!」
少女は杖を取り出したが、その杖の先はレンへ向けられていた。
「邪魔をしないで、人間!!」
「ちょっと待てよ、俺は君を──」
「余計な…、お世話よ!!」
少女の持っている杖の先が光り始めた。杖の先に小さな光が集まり、大きな光をつくりだしていく。
「ま、待てって!!おい!!」
「待たない!邪魔よ、消えて!!」
少女は握り締めていた杖を振りかざし、口を籠もらせ詠唱を始めた。
「げっ…!?」
レンはギョッと顔を引きつらせ、額が次第に汗ばみ身体は強ばり格好の餌となる。
少女は集中させ、詠唱を終えレンに向けて放つ。
無数の光の雫が散らばり杖の先端から火を出した。
「ファイア!!」
火炎が垂直にレンに近づいてくる。
レンは目蓋を塞ぎ死を覚悟した。
「障壁!!」
男の声と共に鉄がぶつかりあうような高い音がした。不思議に思ったレンはゆっくりと目を開ける。そこには炎に片腕を向けているマント姿の男いた。
猛々しい炎がその男の前で光へと“分解”されていく。
「レン、ここはお前のいるべき所じゃない」
男はつば付きの帽子を深く被りなおし、後ろに振り向いた。
「竜族と魔族のコンビに一人で挑むなんて、お前にはまだ無理だ、帰るぞ」

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