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ランドランド〜キラの旅立ち〜
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ランドランド〜キラの旅立ち〜 3

「ふぅ…」
キラはうざったそうに空を見上げる…
「周りの奴らはみんな、オレと父さんを比較したがる…誰もオレの本質を見ようとしない…オレという個人を見ようとしねぇんだ…」

「そんなのは甘えじゃないのか?俺にはあんたが、現状から逃げ出したいだけのように見えるよ…」
「な…なんだと!」
いや、しかし、そうなのかもしれないとキラは考えた…
「俺は自分の無能さにかこつけて、逃げ出して、変わろうとしていないだけなのかもしれないな…」
もちろん、キラは大真面目である。ところが、クラレイは吹き出した。
「…おいこら、何笑ってやがる」
憤然といったキラに、クラレイはまだにやにやしながら、
「いや、悪い悪い。あんまり真剣すぎて、笑えた。あんたは真剣なんだよな…ってのは、確認だが。まさか、青春の心理を赤裸々に語ってくれるたぁ、思わなかった。さっすが英雄の息子だよなあ、自分に偽りがない」
わざと相手が嫌がることをいう。
「おまえ、いいかげんに…」
キラがいいかけたが、クラレイは構わず続けた。
「…じゃなくて、俺は別のことを訊きたかったのに、そこをあんたが妙な理屈で逃げる気なのかと思ったのさ」
「…はぁ?」
「つまりは、だ。俺が訊きたかったのは、今日、あんたが休む理由だ。…だったんだが、あんたが答えたのがまるで別方向だろ。俺の質問に答えたくないあまり、現状逃避に出たか、と…で、そんな手で俺が誤魔化せるか、甘えるな、と思ったんだよ」
──ようやく、キラにも飲み込めた。まあ、ちょっとした言葉のゆきちがいというやつだ。
「で、実際、どうなんだ?俺と違って、あんたは割とアカデミーはさぼらねえだろ。今日はいったい何があったんだよ?」
「…大した理由なんて…ただ」
「ただ?」
キラは顔をあげた。

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