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カダクロス
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カダクロス 1

 「はぁ、はぁ、はぁ・・・全く、てこずらせやがって・・・」
 息を切らしている戦士、彼の名はルカ。幻の十字架、カダクロスを探して旅をいる。先程の巨大なゴーレムを一人で倒した為か、疲労していた。彼は剣をしまい、疲労困憊の身体を押して、歩いて行った。というのはもう一週間も飲まず食わずで旅をしていたからだ。
しばらく歩いていると、少女が倒れていた。格好からして、戦士みたいだった。
 「どうやら魔物にでも襲われたみたいだな。ここは危険だ。」
ルカは彼女を抱きかかえ、安全な場所に連れて行った。
「ここは?」
眼前には、熱された広大な地面に浮かび上がる廃城が。「ちっ、あのクソゴーレム」ルカは、右足の傷に目をやった。女戦士を左脇に抱えながら、傷の痛みを無視しながら目の前の廃城を一歩一歩目指して足を進める。 ルカは思い返していた。・・・『なぜ、わしたちの息子が行かねばならぬのだ』親父の罵声が教会中に響き渡る。神父は静かに俺と視線を合わせ口を開いた「ルカ、お前が生まれた日から今までまさに地獄の日々。戦闘に関してもはやお前の右にでる奴はここら近辺にはおらんだろう」 選択肢は一つ、あまりに少なすぎた。
 「神父様、それは戦えという事ですか?」
 「いかにも。この戦いに終始符を打つ事ができるのは、お前だけだ。辛く苦しいだろうが、やってはくれんか?」
「わかりました。俺が必ず終わらせてみせます。」
 ルカはその日の夜遅く出発した。 「待ちなさいなさい。」
誰かが彼を引きとめた。
 「親父・・・」 父は、そっとルカに言った。
 「この世界のどこかに、カダクロスという十字架がある。それを手に入れなさい。どんな物かはわしにもわからん。だがきっと役にだろう。」
父はそう言い、家に帰っていった。
ルカの右足から地面にしたたり落ちる鮮血が彼の足跡となり、土と混ざり合って何秒もしない内に黒く変色していた。昼間は皮膚がじりじりと音をたてるかと思うほどの熱光と渇きの風。ルカは、左脇に抱える女戦士を、歯を食い縛り右脇に持ちかえた。 今にも崩れ落ちてきそうな、城壁の前でルカは、一旦、女を静かに降ろすと、着ていた防具を一つ一つ外して傷の深さを確かめた。「外傷はないに等しい・・毒か?まずいな」ルカは辺りを見回し、足を引きずりながら、その城内に入っていった。
 しばらく歩いていると後ろから足音が聞こえてきた。
 「誰だ!?」  ルカは後ろを振り向き、身構えた。後ろにいたのはさっき助けた女戦士だった。見たところルカと同じぐらいの年で美しい少女だった。
「足、どうしたの?」
彼女は心配そうにルカに言った。 「ちょっと毒にやられたみたいだ。」
ルカは苦しそうに返事をした。
「ちょっと見せて、これなら治るわ。」
彼女は詠晶を始め、回復の魔法を使った。ルカの足はすぐ治った。
「実は私魔法剣士なの。」
「魔法剣士?初めて聞いた、ところで君の名は?」

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