PiPi's World 投稿小説

さよなら〜絶望先生
その他リレー小説 - 二次創作

の最初へ
 -1
 1
の最後へ

さよなら〜絶望先生 1

前回までのあらすじ…

女生徒と学校が大の苦手のマルチ不健康食品会社の次期エリートサラリーマン・望。
ある日入信してもいない宗教:那珂磨羅澄手(ナカマラステ)の背信者として追われる羽目に。デギンザビ似の教祖の命により、身長一米(メートル)の女群が望に襲い掛かる。
命からがら逃げ着いた先がリアス式海岸の女学校。新任教師に間違われ教壇に立つ羽目にになるが初日についたあだ名が意味不明の「右翼オタク」。
珍妙なあだ名に絶望し、死を決意するが、どうせ死ぬならと、謎の娘に多額の保険金付きの偽装結婚を迫られる。


第一話:さよなら絶望先生

「私の友人の友人にアルカイダがいる」by鳩山法相


春ー卯月、私の心は希望に満ちあふれていました。花びらが舞う学校へと向かう桜並木。歩いていると小鳥のさえずりが心地よく聞こえてきます。
そんな希望溢れる道、その目の前に桜の幹に落ちた椅子、枝からぶら下がった紐、そして、その紐からぶら下がってがっている人…
…自殺、少女は心地よい風が急に寒く感じました。

「いけません!」

少女は自殺を止めさせるよう、枝からぶら下がった男性の腰に抱きつきました。


「命を粗末にしてはいけません。」

瞬間、少し緩まっていたであろう結び目が一気に絞られ、まだ息のある男に追い打ちをかける。
一方は必死に自殺から助けようとする善良な少女。
もう一方は少女に後押しされ、藻掻き苦しみながらも昇天間近の男。
次の瞬間…
紐が二人の重さに耐えかねて千切れてしまった。二人は折り重なるように地面に倒れこみ、ぶら下がっていた男は咳き込んでいた。
少女は未だ咳き込む男を心配して、

「あ、大丈っ…

「死んだらどーする!!」


数秒間、二人とも固まってしまった。

「え?」

「あ、……フッ。また死ねなかった……。
なぜ止めたりしたのですか。」

首に掛かった紐を外しながら男は呟いた。少し額に汗を掻きながら。

「今、『死んだらどーする』って……」

「私なんて生きていても何の価値もない人間なんです。ペットボトルでさえ、リサイクルすれば価値を見いだせるこんな世の中でさえも!!」

しかし、言ってしまったことは取り消されず…

「死ぬ気、なかったんですね。」


少女の素直な言葉が男に深く突き刺さった。

「死ぬ気満々でしたよ!!」

なんとか反論を試みようと、男が死ぬ気アピールをしようとしたが、

「ですよね。
こんな素晴らしい春の日に自ら命を絶とうなんて人、いるわけありません。」

突然、両手を広げ少女はその場をクルクル回り始めました。

「春…それは始まりの季節。恋が生まれ。夢が生まれ。喜びが生まれる。
何事も春から始まり、私たちを未来へと誘ってくれます。
こんな日に自ら命を絶つなんて“桃色ガブリエル”が許しませんよ。」

「桃色ガブリエル?」


SNSでこの小説を紹介

二次創作の他のリレー小説

こちらから小説を探す