さよなら〜絶望先生 2
「私が名付けたこの一番立派な桜の木のことですよ。
堂々としたたたずまい。大きく広がった枝の無数の花びら。そうまるで両翼を広げた天使のよう。
だから桃色ガブリエルって名付けたんです。今」
「今?」
この時、男はだんだんと目の前にいる少女が自分よりも危ない精神の持ち主だということに気付き始めていた。
だが、それでも彼女は止まらない。
「あの木は桃色左大臣。あの木は桃色大魔王。そして、あの桃色若社長の幹に座っているのは希望を求めて自由人になった桃色サラリーマン。」
「その人は会社首になっただけだから。自ら自由人になった訳じゃありません。
はぁ、また死にたくなった。」
「だから死のうなんて人いるわけないじゃないですか。」
「だったら私は何をしていたというのですか!!」
それを聞き、少し黙り込んだ少女から次に出た言葉は……
「桃色ガブリエルとセットになりたかっただけなんですよ。」
「へ?」
「万物すべての物は必ずセットになってるんですよ。そうすることで自分をさらなる高みへと伸ばしていくのです。
ジンベイザメにくっつく小判ザメ。マックにくっつく玩具。割り箸にくっつく爪楊枝(つまようじ)。これすべてあとから付いてくるセットなんです。」
他にも…
清涼飲料水+ストラップ
遺産+遠い親戚
女子高生+ストーカー
多額の借金+親切な人達