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ドラゴンクエスト[〜それから〜
その他リレー小説 - 二次創作

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ドラゴンクエスト[〜それから〜 42

エルトリオは警戒しながら男の後をついていく。洞窟の中を進んで行くと、焚き火の跡や瓶や壺が並んだ、暗い空間にたどりついた。
「いきなり信じろと言うのは無理があるかもしれんが、とりあえずそこに座りたまえ」
竜王は薪に火をつけ、横になった枯れ木に腰かけた。それを見たエルトリオも、むかいの木に腰かける。
「私は『里』から出てきた者だ、そこには門があり、竜人族でなければ開ける事はできん」
「どうしたら入れる?」
「この『変化の杖』を持って行け、これを使えば中に入る事ができる」
「…なぜ俺にそこまでしてくれる?」
「人間がここまでくる事自体珍しい、あえて理由を言うなら興味だ」
エルトリオは辺りを見回した、すると彼も竜王に『興味』を抱いた。
「この寝ている赤ん坊はあなたのお子さんで?不思議な腕輪されてますね?」
ゆりかごで眠る、二人の赤ん坊をなでながら微笑む。
「右はヴァン、左はティランジア、どこか貴方に似ているでしょ…」
「え?」
「いえいえなんでもありません、それよりお疲れのようだ、今日はここで休んでいかれては?」
「ありがたいがそういう訳にはいかない、それではこれで。世話になった」
エルトリオはお辞儀をし、その空間を出ていくと、変化の杖を片手に出口に向けて走りだす。
「待ってろウィニア…必ず迎えに行くからな!!」
光へとつき進むエルトリオ、外に出ると眩い光に照らされ、思わず目を細める。そこには誰かが待ち構えていた。
「グルーノ様だ」エルトリオが呟いた。
「ほう。あれが……ウィニアの父上」
「見張りか何かをなさっているのだろう」
二人はあちらから不可視範囲内に『変化の杖』を使うことにした。
「すごいな、この杖は。本当に竜にでもなれそうだ」互いを見ると、尖った耳の生えたまさに竜人族であった。エルトリオは実際よりも年上の青年に変化し、「まったくだな」ランキヌは少年と青年の間のような年齢の者に変化していた。「ランキヌ、その出で立ちでその話し方はヘンだぞ」「そうか、気をつけねば」その言葉もだと青年は付け加えた。
二人は歩きだす。見た目は竜人族そのものだったが、グルーノに近づくにつれて鼓動が高鳴っていくのが分かった。
「(頼む!!黙って通してくれ…)」
グルーノは白く逆だった髪を、風になびかせながら、エルトリオたちの通りすぎるのを横目で見ていた。
「(ふぅ、気付かれてないみたいだ…)」
「どこの里から来た?見ない顔だが…」
「!!」

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