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ドラゴンクエスト[〜それから〜
その他リレー小説 - 二次創作

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ドラゴンクエスト[〜それから〜 39

「う……あ…」
闇に生気を吸い取られたようで、エイクは衰弱しきっていた。お礼を言おうとするも言葉にならず、ただ唇を震わせる。
「わかってる。無理するな。」
その顔は闇に覆われて何も見えなかったが、エイクの肩を掴む手は大きく暖かかった。
「よし、もう少しだ。頑張れよ。」
力無く首を縱に振る。まるで闇のレティシアに迷い込んだ時のようだ、と彼は思った。何度か意識を失いそうになったが、『眠るな』という言葉を思い出してどうにかこうにか踏みとどまる。
「それにしても驚いた、『ランキヌ』を倒して時間の流れを乱すなんてな」
エイクは頭を撫でられながら、ただ話を聞いていた。
「心配するな、いくら竜王でもこの世界じゃ自由が効かない。漆黒の鎧『ランキヌ』だって同じだ」
「(何でこの人、僕の事に詳しいんだ?)」
「悪くない質問だ」
「!!」
考えている事を読まれたエイクは、驚きを隠せなかった。
「俺の名前は『エル』この世界でしか会う事が出来ない、もう一人の君だ。だから君の考えた事がわかるし、過去もわかる」
「(もう一人の…僕…)」
「そう。それにしてもよくやってくれた、俺はランキヌが大嫌いなんだ、君が倒してくれた時はスカッとしたよ」
「(ミーティアを拐った犯人だから?)」
「まぁそれもあるが、奴はずっと昔からの宿敵なんだ」
「(宿敵?)」
「以前ザフィスから、消えた女性の話を聞いたろ?女性を捜しに出たのは近衛隊のザフィス、信用は薄いが腕は確かのランキヌ、そして君の父、エルトリオ。当時の3人は、世界に並ぶ者がいないと言われる程、強かった」
「(父さんが…)」
──そう昔…
──君の産まれる前の物語…
「ザフィス!!遂に見つけた!見てくれ『竜人族の里』の行き方だ」
埃まみれのエルトリオは目を輝かせながら、眠っているザフィスの肩を無邪気に揺らす。
「は、はい…『竜の試練』?…初めて見ますな、どこにそんな貴重な書物が?」
「『竜骨の迷宮』の宝箱に入ってた!」
「…私とランキヌを置いて…まさか!!一人で行ったのですか!?」
「ああ!!」

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