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※リレー総合BBSをご参照下さい。
 
昔のある世界のある場所での話。
そこに住む人々は、昼は地上で生活し夜は地下で生活するという、奇妙な生活様式を持っていた。
その所為か主に信仰する神は二種類。
絶対的な力を持ち実りを与える太陽神と、太陽神の力が及ばぬ所で人々を癒す包容力を持った暗黒神。
信じる神は同じだが、人々は幾つかの宗派に分かれていた。
太陽神を最高神とする宗派と、太陽神と暗黒神を同格とする宗派。数は少なくなるが、太陽神と暗黒神を同じ神とする宗派。更に数は減るが、暗黒神を最高神とする宗派もある。
 
長らく時は穏やかに流れていたが、ある時その土地をひどい旱魃が襲った。
太陽派はこれを最高神の試練と考え、必死に耐える道をとった。
同格派はこれを太陽神の怒りと考え、暗黒神の膝元である地下にいる時間を延ばし、短い時間地上に上がっては太陽神に許しを請う道をとった。
同一派はこれを神の気紛れと考え、戸惑いながらも生活を質素にする他あまり変わらぬ道をとった。
暗黒派はこれを太陽神の最高神に対する挑戦と考え、一日中地下で暮らし、暗黒神に助けを求めた。
 
が、自体は一向に良くはならない。日が経つにつれ、人々にも変化が生じてきた。
太陽派は、最高神に対する恐怖を膨らませ、中には地下へ逃げ込む者が現れ始めた。
同格派は、太陽神には心が無いのではないかと疑い始め、暗黒神に助けを求めるようになった。
同一派は、神が自分達を『気紛れで滅ぼす』つもりではないかと考え始め、遠くへ旅立つ準備を始めた。
暗黒派は今の場合最高神はあてにならないと思い、地下で長い間暮らす為の技術を磨き始めた。
そして時は来た。
突然その土地を豪雨が遅い、地上と地下を結ぶ穴が塞がってしまった。
耐え続けた太陽派は地上に閉め出され、飢餓と疫病で大半が死んでしまった。
暗黒派は進んだ技術で豪雨を耐え忍び、疫病を防いだ。
同格派は生き延びる為に暗黒派の世話になったが、太陽神を完全に信じられなくなり、同時に暗黒神を疑うようにもなった。
同一派は豪雨の直前に住み慣れた土地を離れたので、難を逃れた。
逃げ込んだ太陽派は反動から暗黒神を寛容だと感じるようになり、新暗黒派を名乗り、暗黒派に加わった。
それから更に時が経ち、地下の人々は再び地上への道を開いた。
しかし、彼等が見たのは何故か殆ど草も生えていない荒野だった。
彼等がもう少し遠くを探索したなら、細々と作物を栽培する太陽派の生き残りを見付けられただろうが、残念ながら彼等は出入口周辺を耕せば何とか使えるだろう等と言い、さっさと引っ込んでしまった。
地下の生活に慣れた彼等にとっては、太陽輝く地上は居心地の悪いものとなっていたのだ。

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