浜中「しっかりしろ！」
いつの間にかマウンドに来ていた浜中が真野の背中を叩いた。
「７番、サード、村野。」
守備から入っている村野、初打席である。
サインに頷き振りかぶった真野。
カキーン
打球は高く上がり左中間に飛び、その中央に落ちた。そのままスタンドに入りエンタイトルツーベースとなった。
これで制球を乱し、真野は鈴木、山崎に全くストライクが入らず満塁としてしまった。アウトは一つも取れていない。
ここで急遽登板したのが五嶋である。
また守備交代があり、真野はサードに五嶋は９番に入った。
３番サード真野、９番ピッチャー五嶋である。
球審「プレイ！」
五嶋は初球ストレートを投げた。元々球速はそれほどない。そのためタイミングを外された井上はバットの先に当ててしまいショートゴロとなった。
浜中（捕手）「バックホーム！」
ショート山野はボールを本塁に送った。
球審「アウト。」
一塁に転送したが
一塁塁審「セーフ。」
続く市川は初球を打ってファーストフライ。藤巻にはストレートを外角のきわどい所に三球続け、すべて空振りの三球三振に仕留めた。
７回表が終わった。
五嶋はマウンドで小さく拳を握り締め、内野手達とハイタッチをかわした。
五嶋（投手）「危なかった。」
浜中「ナイスピッチ。」
松上（一塁手）「ラッキーセブン気合入れていこう。」
五嶋「次は好打順ですね。」
浜中「そういう意味でも今のピッチングは最高。」
ベンチに各選手が戻っていった。
７回裏の攻撃を前に、ダイナソーズはベンチ前で円陣を組んだ。
浜中「この回は大切だとは分かってる筈。」
細川「ピンチの後のチャンスですね。」
真野「ホームラン打たれましたから・・・・・・」
島袋「終わったことは気にせず頑張ろう。」
山野「『切り込み隊長』としてガツンといきます。」
「７回裏、ダイナソーズの攻撃は・・・・・・」
いよいよ試合も大詰めだ。