６回裏。
「５番、センター島袋。」
先頭の島袋はツーストライクからの３球目
カァァーン！
快音を残して強烈な打球が三遊間を突破していった。
「６番、セカンド浜松。」
カーン
今度は初球打ちでセンター前ヒット。ノーアウト１、２塁となった。
「７番、ファースト松上。」
松上は三塁前に上手くバントをし、転がしたかに見えたが、この回から守りに入っている村野が猛烈なダッシュをして打球を処理。サードベースカバーの井上に送った。
「アウト！」
続く三澤は初球をレフト前に運んだ。
「ストップ！」
サードベースコーチ吉岡はまたランナーを止めた。
大場「満塁か。ここで追加点がほしいな。」
しかし、初球、二球目連続で外角低めのストレートを見逃し一気に追い込まれた。そして続く三球目
ポコーン
バットの先に当たった打球は三遊間に転がった。
この打球を村野がダッシュして好捕。セカンドに送った。
二塁塁審「アウト。」
一塁に転送。大場はヘッドスライディング。
一塁塁審「セーフ、セーフ！」
併殺崩れの間にまた追加点を挙げた。
この時サードベースコーチの吉岡は更に腕を回した。一瞬の隙をつき松上も本塁に返そうとしたのだ。
村野「バックホーム！」
慌てて篠原は本塁に転送した。
球審「アウト！」
６回裏は一点止まりであった。ここまでの得点は
ダイナソーズ３−０スネークス
である。
７回表
ダイナソーズはレフトの真野がマウンドに上がり、好投していた浜中はキャッチャーに、キャッチャーの猪俣はレフトにそれぞれ守備位置が変更となった。
２番レフト猪俣、３番ピッチャー真野、４番キャッチャー浜中になった。
「６番センター清水」
７回表が始まった。
真野はサインに頷きワインドアップから第一球を投げた。
カアァァーン！
快音を残して打球は軽々とライトフェンスを越えていき、塁審の手が大きく回った。ホームランである。
「っしゃぁ〜！」
大きくガッツポーズをしながら清水はベースを回った。
「……」
真野は呆然と打球の行方を見つめていた。