最初にその人の話を聞いたのは、先輩のお母さんの高校時代の同級生で、離婚してシングルマザーをしているという女性からだった。
高校時代、特に親しかったという訳でもなく、卒業してから何十年も会っていなかったが、先輩の家に不幸が続いているという噂を聞いて連絡してきたそうだ。
『それは全て悪魔の仕業に違いないわ!今すぐ悪魔を払わなきゃ駄目よ!』
そう言って彼女は“その人”の名を告げた。
“その人”に任せれば全て上手くいく…との事であった。
実際彼女も立て続けに不幸に見舞われていた所を“その人”によって救われ、今は幸福感に満ち満ちた日々を送っている…という。
最初、先輩のお母さんは半信半疑だった。
先輩と先輩のお父さんも“その人”の事を疑って、まともに取り合わなかった。
だがその元同級生は何度も何度も熱心に訴えて来た。
『私も最初は“あの人”の事を疑ってたのよ!でも実際に会って話してみて“この人は本物だ!”って確信したわ!』
『とにかくあなたも一度で良いから会ってみて!会うだけで良いから!』
…あまりにもしつこかったので、仕方なく一度“その人”と会って話を聞いてみる事にした。
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