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殺し屋のあなた
その他リレー小説 - アクション

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殺し屋のあなた 47

「気分悪いな。」
「気分悪いわね。」
ラストとルナはほぼ同じに呟いた。
「殺るか?」
「ええ。納得いかないものね!」
ラストとルナは互いの顔を見て微笑んだ。
「何をやるの?」
カノンは二人に問う。
『知恵の輪』
二人はまた声を合わせて言う。
「でもコイツらを片付けてから…」
ルナは刀を構えて妖しく笑っていた…
シャッターの爆煙ごしに映る人影…プロイパの私兵…が煙幕弾をぶち込みながら突入して来た。毎度お馴染みM16ライフル、迷彩服に赤外線ゴーグル…。
「…おっさん!ドサクサに紛れて、背中から撃とうとか考えるなよ?」
「うるせぇぞチンピラ!この一件カタつけたら、背中でも脳天でもブチ抜いてやるから大人しく待ってろ!」
火花でも散りそうな勢いで睨み合う二人だが、プロとしての状況判断は怠らない。タキは分捕り品のウージー短機関銃を構え、窮鼠もどこからかショットガンを引っ張り出し互いに援護体制を取る。

私兵団はそれなりの軍隊経験でもあるのか低く身構え時には床に伏せ、ラスト達が居そうな場所を索敵する。火力でも連携でも私兵団が勝っている…筈だった。
…ファッキンニューガイ(糞新兵)共!煙幕焚いたら赤外線ゴーグルの意味ネェだろ?…
先頭の、モヒカンの大男が心の中で新入りを毒づきながらゴーグルを外すサインを送った。かなり暗いが役立たずのゴーグルよりはマシな視界。何かが光った…夜間戦闘で無駄な音と光は厳禁…モヒカンが確認した輝きは、仲間に報せる間も与えず眼球から脳髄まで貫き、再び闇へ消えた。

…プロイパの私兵達は戦場とはまた別次元…闇の住人の領域へ踏み込んでしまったのだ。
「どうした?」
後続の男が声を掛けるとモヒカンがヘナヘナと崩れ落ち、その向こうに『違う』誰か…。
「サムライサーベルの…女?居たぞっ!」
射撃の間合ではないと判断、着剣したライフルを槍の様に構え三人がかりで突撃する。統制の取れた連携で必殺の突き、斬撃や打撃のコンボを繰出すが、教官が稽古でもつける様に受け流すルナ。
「遊び過ぎだ、刀が痛むぞ。」
三発の9mm弾、男達の頭部をラストがあっさり撃ち抜いた。

「そうね!でも退屈しちゃうじゃないっ!」
ルナは敵がいるのに背中を向けた
「今だっ!」
プロイパの私兵達はルナに目掛けライフルを刺す
「甘いっ♪」
軽々とかわし微笑むルナ
「坊やたち、命が欲しければそれを捨ててお家へお帰り!」
ルナは妖しく微笑みながら言い放つ。大半の私兵達は危険を感じたのか慌てて逃げて行った
「お優しいこと」
レイザーがぽつりと厭味を言う
「ええ。でもこれも計算…逃げて行った人達はあたし達の事を必ず誰かに話す。輪がかかってあたし達の株が上がる…ねぇ?」
ルナが無邪気な少女の様にに微笑んだ

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