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殺し屋のあなた
その他リレー小説 - アクション

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殺し屋のあなた 46

「おいおいルナぁ?」
情け無い声を上げるラスト。
「…どうせこの針鼠野郎の事だから、協力しねぇなら表の連中使う気だろうしな…そうなったら、ここに居る全員が全員無傷で帰れるとは思えねぇ…」
差し違えてでも44口径を窮鼠に叩き込む覚悟だったタキ、知恵の輪に新しいニックネームを与えつつ冷静な判断を下す。
「死に損ないのチンピラ見逃すのは癪だが、いつでも消せる。」
「ああ?ムカツクなぁ!ルナ!プロイパ退治が済んだらおっさん退治だ!」
…頼むからお馬鹿さんは黙ってて…

「グロウリー、貴方に指図される覚えはなくてよ?あたしに指図をできるのはラストだけ。」
ルナはラストに微笑みを向ける。
「やっぱりオレは振られるんだな。」
グロウリーは肩を落としていた。
「さて、話を聞きましょうか…知恵の輪。」
ルナは知恵の輪の正面に座った。
「ま〜ったく、ワガママなお姫さまだなぁ」
知恵の輪はにへら、とにやつく。
「ちょっとは妥協もしてほしいもんだけど。プロイバ殺って得すんのは君達もだし、ほとんど人質になってないけどけむりんも人質なんだけど」
「私は別にいいのよ?プロイバの私兵の他に、どっかのピアス開けまくってる奴の死体が増えても、ね」
ルナは特になにも考えてないように、無表情にそう言った。
「分ーかってる分かってる。はいはい、僕らの目的ね。はいはい。それはねC4とっ捕まえて、ダンスパーティのレシピを聞き出すことさ。いやいやマジで。…ホントだよ?何だよ?その目は?ホントだって、ねぇ?」

明らかに疑惑の目を向けられて(実のところは余り焦ってないが)焦って窮鼠に話を振る。
「……………え?ああ、そーだな」
だが、窮鼠の方は上の空の返答しかしない。しかし、そんなことはおかまいなしに
「ほら、ほら、ね?旧知の仲ね窮鼠もそーいってんじゃんか」
と畳み掛ける。
「信じ」
られないわね、とルナは続けたかったのだろう。ばがん、と倉庫入り口から、というか入り口の扉がぶっ飛ばされる音が倉庫全体に響きわたった。「わあ」
と間の抜けた悲鳴を上げて
「あーあ、どうやらタイムリミット臭いね。プロイバ御一行のとーちゃくーだー」

全く、驚きもおののきも恐れも感じさせない口調で、知恵の輪は言った。「ちょっと!納得してないわよ!私は」
ルナは怒鳴った。が、
「いやー残念残念。説明したかったんだけどね。時間無いし」
そう言いながら、知恵の輪は倉庫の最奥に向かう。自分は非戦闘員だと言わんばかりに。
「けーむりん」
知恵の輪は立ち止まり、振り返らずにレイザーを呼んだ。
「何だ」
レイザーも知恵の輪の方には目をやらずに返事をする。
「窮鼠の奴、C4に会わせないでね。任したよ」
「……何故?」
知恵の輪はまた歩き出した。そしてレイザーの問いには答えずに
「せいぜいダンスパーティを楽しんできてよ」
と言った。

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