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殺し屋のあなた
その他リレー小説 - アクション

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殺し屋のあなた 2

そもそも何でシューティングレンジに行くことになったかというと、俺のささやかな嘘のせいだった。
何で嘘をついたかというと、たまたま暇が出来てルナに「出かけよう!」とか言われて、町にショッピングに行くのとかがもの凄くダルかったからだ。
何で暇が出来たかというと、仕事の依頼人に合うのが今日の午後だからだ。
そしてその依頼があったのは、昨夜ディルの酒場でだった。
「…またデカい仕事らしいな…?」
先客…タキ・トモカズはそっけなくラストに尋ねた。
「依頼人に会ってみない事にはな…」
他愛ない雑談、ちょっとした情報交換…何が不満なのかルナはずっと渋面だった…。
装填を終えたラストのグロック17、ルナのジェリコ941。そしてタキのスタームルガー・レッドホーク。
「で、そっちのおチビちゃんは…」
タキがルナを見ていた。
「チビじゃない!!あたし、あんたのことキライだから気安く話かけないでくれる?」
ルナはタキを睨み言う。
ラストは頭をかいてタキに謝った。
「おれは結構気に入ってんだ。あんまり素っ気なくしないでくれよ。」
タキは笑って言う。
「ふんっ!!」
ルナはタキに背を向けた。
誰が号令をかけるでもなく、射撃開始。タキの放つ44マグナムの爆音に紛れて、ラストとルナの甲高い9ミリの連射…。素早く弾倉を替える練習、空薬きょうを使った作動不良や不発弾対処の状況も加える。
…ラストとルナは二百発ほど消費したあたりで時計に視線を移す。
「行くのか?」
「ああ」
ルナは無言だ。二人は弾倉と薬室の安全確認、撃鉄を落とす。簡単な整備と薬きょうの片付けを済ませた。小犬の様に駆け寄るルナ。
「射撃場で走るな!」
さっきまでの、ふざけた態度は微塵も感じさせないタキ。

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