ピンクファイブはベッドタウンで比較的大きな町だったが資源の枯渇から早くに人口は激減し、イエローフォウのような工業地域でもなく、レッドワンのように歓楽街でもない為、アンドロイドの大規模な攻撃からは免れていた。
　一見すると町はさながらゴーストタウンのように思えたが、窓の奥には余所者を警戒する視線が多数感じられた。
　シヴァ達が町に入っていくと、どこからともなく幽鬼のような人々が現れ、やがて人波にシヴァ達の乗った車は遮られてしまった。
「なんだ、この連中は？！」
　クラクションを鳴らしても離れようとしない民衆に、シヴァ達は顔をひきつらせた。
　そんな中、人混みの中から身なりの良い初老の男が現れた。
　「ヨロシコ、ヨロシコ、ミナサァン、ヨロシコォ」
　変な訛りのその男は鷹揚に人混みを掻き分けると、シヴァ達が車から降りてくるのを待った。
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