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THE ENDLESS
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THE ENDLESS 88

歯ぎしりするようにロキが呟く。しかし、此処でもめていても絶好の的になるだけである。仕方無く小脇に煌夜を抱えると、フワリと銀板を浮かせた。

「…」

煌夜が下からジットリとした視線を送る。

「その目はなんやねん?」
「…変態」
「落としたろか!そーゆー台詞は女になってからゆえや!」

ロキが叫ぶ。
だが、煌夜はプイッと正面を見据えるだけだった。
「邪魔だッ」

颯葉は重厚な太刀をまるで棒きれのように振るう。相手は慌てて、剣の刃筋を立てて防御しようとした。
だが…
───ズバンッ!
太刀は剣を易々と切り裂いた。否、剣だけではない。相手が身に纏った鋼の甲冑、その内側の身体までも真っ二つに裂いた。
敵の数は残り3人。中央にボス──おそらくシェンザだろう──がひきつった顔をしている。その左右に控えている者達も同様であった。

「カフカ、横の二人は任せた。キツいならロキか誰かを呼んでもいい」
「はっ!あんな小僧にお守りしてもらう程老とらん!」

不敵に笑うと、カフカは弩を構えた。
「かかってこい、そこのホスト野郎!」
「な…カフカ!?任せると言ったのは横の二人だぞ。挑発してどうする」

颯葉は口を動かしながらも、しっかりと敵側を警戒していた。
が、相手は至って冷静。横の二人も静止している。

「はいはい、しっかりこいつらと戦わせてやるよ。だから…あまり吠えるな。老 い ぼ れ が」

それは内容だけでなく口調、音程、間の取り方、全てが刄だった。怒りという名の激痛を起こす毒付きの。
その刄で切り付けると同時に、シェンザは隣に立っているプレイヤーの襟の後ろを掴んだ。

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