THE ENDLESS 86
「スキーズブラズニル!」
───ガキンッ!
矢は寸でのところで弾かれた。見れば、サーフボードにも似た銀色の板をロキが突き出している。
「これはこないな使い方するもんやないのに…」
「…ロキ」
ロキが呆れたような、溜め息のような言葉を漏らす。すると板の背後で煌夜が小さく呟いた。
「何やねん?」
ロキがそう聞き返しながら、煌夜の方を向く。
「…邪魔だ」
「へっ?」
視線の先で巨大な砲身が口を開けている。その奥が徐々に赤く染まり始め、そして…
───ドォオウゥゥン!!
凄まじい唸り声を上げ、深紅の焔が閃いた。
その一閃に飲み込まれた辺りのあらゆるものは、たちまち灰塵へと帰す。
煌夜とロキを狙っていた者達も例外ではない。
ロキ、煌夜と敵対していた者約10名の内、6人が一瞬で消滅し、残りの4人はボロボロの身体を必死に起こそうともがいている。
「…ロキ」
まるで戦車、もしくは戦艦に備え付けられているような砲台の裏から煌夜が顔を覗かせる。辺りをキョロキョロと見回しながら呼び掛けた。
「…死んだか」