PiPi's World 投稿小説

Gear〜鍵を成す者〜
その他リレー小説 - ファンタジー

の最初へ
 2
 4
の最後へ

Gear〜鍵を成す者〜 4

男がシャワールームの明かりに気付き、にたりと笑う。
男の手に握られた鉄の棒、それが電気をおび始め、みるみるうちに槍へとその形を変えた。
コンコン、男はシャワールームの扉を叩くと、返事を待つ事なく槍を扉に突き刺し、それは貫通した。
「リオさん?実はお話が…」うすら笑いを浮かべる男。
キィ…、扉が動く音。男が後ろを振り向くと、そこには剣を構えたリオがいた。
「さよなら」
リオの剣が振りおろされた。


雨の中を猛烈な速さで走るテアがいた、その上にはゴーグルをつけた少年が乗っている。
「あれ、錬金術だったね…本気で殺す気だったんだよね…」小さな声でリオは言う。
赤兎は頷きこう言った、「間違いなくな…国の為に命をかけ、それに命を狙われるのか…」
無表情で一人と一匹は雨の中を走る。
「こんな時…こんな時、トマならどうしたんだろう…」リオは不安そうな顔をする。
「……」赤兎は返事をせず走り続けていた。
「赤兎…」
「足音がする…」赤兎が口を開いた。
「追っ手だ!!相手は五人、皆テアに乗っている、死んだら許さんからな…覚悟しろ」
ザザザザ…、赤兎は急に止まると、すぐさま来た道を戻り走って行く。
「分かってる…僕は死なない」リオの顔は微笑んでいた。
リオが左右の腰から剣を抜く、そして二つの剣を重ねると、それは電気を放ちながら長い槍へと姿を変えた。
「うおぉぉぉ!!」赤兎に乗ったままリオは、電気を放っている槍を地面に刺した。
リオが槍で大地を斬りつけながら走っていると、五匹のテアが見えてきた。
スッ…、追っ手たちの真ん中を突っ切る赤兎。
リオたちが後ろを振り返ると、五匹は三匹になっていた。
「行くよ、赤兎」
赤兎は頷いた。
三匹の追っ手は振り返らない。今度はリオたちが追っ手になっていた。
ダダッダダッ、力強い赤兎の足音。その音はすぐに他の足音に重なった。
ブンッ、三匹は一匹になった。リオの手に握られていたはずの槍は、戦斧になっていた。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジーの他のリレー小説

こちらから小説を探す