交差世界(アニメ・ゲームキャラ全般) 54
ドド、ドドド…
隊員達は自分達に迫ってくる奴らにただひたすら撃ち続けていた。だが、奴らは減るどころか増え続けていた。
奴らの中には警備員や警官、ちゃんとしたスーツを着た人などが我先にと押し寄せてくる。
「どうする、このままだと全滅するぞ!」
「くっ、撤退するぞ。他の隊と合流する。」
「りょ、了解!」
カルロスが先頭にいる奴に蹴りを浴びせると非常階段に続く通路に入っていった。
「急げ、カルロスに続くんだ!」
隊員達も銃で邪魔な奴を撃ち、カルロスが入っていった通路に入った。
「ハァッ、ハァッ…」
さっき通った時はたいして長いと思っていなかったのに、今はいくら走っても非常階段に辿りつけないように思える。
後ろから足音が聞こえてきた。一つは自分と同じブーツが床を蹴る音。恐らく仲間が向かっているのだろう。
他に聞こえてくる足音はスニーカーや革靴など、多分奴らだ。なんとか追い付かれる前に階段に行かなくては。
(確か、もう少しだ…)
そう思いながら角を曲がる。すると[非常階段]と書かれたプレートが貼ってある扉が見えた。
「よしっ、やっと着いた」
カルロスは扉に駆け寄るとライフルを背中に背負うとホルスターから拳銃を取り出し、扉を開けた。
「ちっ、またかよ…」
階段の踊り場に寄生体が立っていた。殺意を隠そうともせず、ナイフを逆手に持って襲いかかってくる。
「ウガアァァ」
「うるせぇ!」
寄生体の顔面を殴り倒し胸を踏みつけると拳銃を構え、額に一発弾を撃ち込んだ。
「そこで寝てろ!!」
カルロスが寄生体に吐き捨てる。その時、隊員のブーツの音が聞こえてきた。
やっと来たか、と思いながら拳銃をホルスターに戻し背中のライフルを構える。
「……そっ、」
「…援は、応……を要…」
「なん…いつは、……」
いきなり無線機から仲間の声が聞こえてきた。何者かから攻撃を受けているのか銃声も聞こえる。
「…ロス、どこに…る……大男が…助…」
「大丈夫か!?」
「…ロス…チー…が行……合…ろ…」
ザー…………
無線機からはノイズしか聞こえてこない。それが何を意味するのかを悟ったカルロスはライフルを通路に向けて構えた。