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ドラゴンクエスト[〜それから〜
その他リレー小説 - 二次創作

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ドラゴンクエスト[〜それから〜 13

ヤンガスは、スカイドラゴンを下から斧で突き上げた。
「うおおお!!」
落下にかかる重力でスカイドラゴンは真っ二つになる!その身体は光りとなって消えた。

門番は剣についた血を軽く払い、鞘に収めた。
「約束でがす。ゲルダの手当と、ワケを聞かせるでがす。」
ヤンガスがゲルダを助け起こしながら言った。
「…ここでは憚られる話である。奥に進まれよ。手当もそこで行う。」
重い音を立てて扉が開く。城下町の様子は以前とうってかわって、ものものしい雰囲気となっていた。
門番は城の奥の部屋へ案内し、ゲルダをベットに寝かせると老婆を呼び手当てをさせた。
「心配するな、彼女はああ見えて北に住んでいるメディという有名な薬剤師の弟子だ」
門番は椅子を勧め、ヤンガスが座ると彼も椅子へ腰をかけた。
「あれはラプソーンが空からいなくなってしばらくたった時の事だ、突然空からドラゴンたちが現れたのだ…」

ドォォォォオン…
「キャー!」
「やめろーっ!!」
ドラゴンたちは地面を焼き、人々を脅かしている。
「何だ?」
門番は一頭の白いドラゴンと対峙していた。しかし、襲いかかってくる様子は無い。よく見ると、他のドラゴンたちも人に危害は加えていなかった。
「……?」
突然、心に直に語りかけられる。
『……何処にいる。我らが子どもは、何処にいる。』
「子ども……?」
門番はドラゴンの瞳を見つめた。血のように赤い瞳のなかに、優しい光がともっていた。
『ここには、いないのか……。最後の、最後の希望の光……。』
そう呟くと、白いドラゴンたちは飛び去っていった。

「一体、何が起こったのか今だにわからない。それ以降、あの白龍は現れないんだが…。先ほどのような小さなドラゴンが我らを襲うようになったのだ。」
ヤンガスは夢のような話に、軽く息を吐いた。
「そうだったんでがすね。」
「それで、今は誰とも交流を断っているというわけなのだ。」
門番は俯いた。
「王は…、何をしているでがす?」
門番は俯いたまま、首を横に振った。
「龍が『子ども』と口にした途端、急に沈み込んでしまわれたのだ。」
二人の間に沈黙が流れた。
「た、大変です!!」
サザンビーグの兵士が沈黙を破った。
「そんなに慌ててどうしたのだ?」
門番は落ち着いて尋ねる。
「ドラゴンらに門は破られ城下町に被害が及んでおります、兵士たちだけでは防ぎきれません!!」
「門にはゴーレムを配置していたはずだが…分かった、すぐ行く。魔法使いを集め魔法陣を用意させろ」
彼はふと、ヤンガスを見た。
「もちろん。……手伝うでがすよ。」
ヤンガスが斧に手を掛けたとき。
「あたしも行くよ。」
「ゲルダ!大丈夫か?」
億劫そうに起きあがり、ゲルダは口角をキュッと上げた。
「さっきのバアさんの治療が効いたよ。すっかり大丈夫さ。さ、行くよ!」
彼らは屋外へ飛び出した。

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