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ドラゴンクエスト[〜それから〜
その他リレー小説 - 二次創作

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ドラゴンクエスト[〜それから〜 11

ゲルダはばくだん岩のかけらを地面に投げつける。
   ドーン!!!
爆風はパルミドの砂を巻き上げヤンガスとゲルダの姿はどこかへと消えた。
「グォォォォォ!!絶対に奴らを逃がすな!!」
カンダタの叫び声がパルミドを包む。 

ヤンガスとゲルダの二人は草原を駆け抜けていく。
「あんた、つかまって!」
ゲルダが左手を差し出した。ヤンガスがその手を強く握った瞬間、キメラの翼は輝く。
「……ふう。ここまで来たらしばらくは安心だね。」
そこは、ゲルダの家だった。彼女は門番に誰が来ても通すな、と伝えドアを開けた。つかつかと進み、いつもの椅子にどかっと座る。
「すまねぇ…。」
ヤンガスが頭を下げた。
「気にするんじゃないよ。全く、久々にパルミドに行ってみたら、あの騒ぎだ。カンダタの野郎、何考えてんだか……。」
「アニキたちは…、生きてるだろ?」
ゲルダは暖炉に視線を移す。大きな薪がゴトンという音を立てて崩れた。
「……わからないね。」
二人の間に沈黙が流れる。突然、ヤンガスが斧を振り回し出した。
「ちょいと!危な…!!」
ダン!と音を立てて斧を床に置いた。ぜえぜえと肩で息をしている。
「アニキたちは絶対生きてるでがす!死ぬはずがないでがす!!」
ゲルダは頷くしかできなかった。

しばらくして、ゲルダが口を開いた。
「しっかし、世の中平和になったってのに。カンダタの野郎、一体何をおっ始めようってんだ?」
ギリリと親指の爪を噛む。ものを考えるときの彼女の癖だ。ヤンガスはその手を掴んで止めさせた。
「……カンダタ団に入れ、と言われた。だけど、アイツらは力の弱ぇヤツも手にかけてる。」
ヤンガスが自分の頬の血を再び拭った。忌々しげに呟く。
「アッシは、ああいうタチの悪いヤツらとは組めねぇでがすよ。」
ふうとゲルダがため息をついた。
「あんた。あたしと組むかい?」
「おめぇと…?」
女は椅子からばっと立ち上がり、腰に両手をあてる。
「あたしと一緒に、エイクたちを捜すんだ。そして、力を合わせて、カンダタ団をやっつける!」
そして、最後にこう付け加えた。
「やっつけるってのは、殺すんじゃないからね。」
ヤンガスは、パルミドから逃げて来て初めて笑った。



「さて、と。馬姫を捜すはずが、エイクたちを捜す羽目になるなんて、とんだ道草だねぇ。」
ヤンガスから今回の旅の目的を聞いたゲルダが口を開いた。手は休まず旅支度を続ける。
「……カンダタのおかげでがすよ。」
ヤンガスが言い終わる前から、ゲルダが喉の奥で笑った。
「で?パルミドの後はどこに行こうとしてたんだい?」
「確か、サザンビーグに行こうとしてたでがすなあ。」
サザンビーグね、とゲルダが繰り返し呟いた。リュックに当面の荷物を積み込んで、彼女がドアを開いた。
「よし!行くよ。」
キメラの翼が空に舞った。
二人が目を開くとそこにはサザンビーグの大きな門がたたずんでいた。しかしその雰囲気はいつもと違った。
「この門はお通しできかねます、早々にお戻りください」
そこには紳士的な男が一人立っており行くてを塞いだ。
ヤンガスは王様と知り合いである事、エイクたちを探している事を話した。
「ヤンガス様、ここ一ヶ月サザンビーグの門は開けておりません、どうかお引取りを…」
ヤンガスはしびれをきらしその男に飛びかかった。

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