PiPi's World 投稿小説

ラブ・サスペンス
恋愛リレー小説 - その他

の最初へ
 0
 2
の最後へ

ラブ・サスペンス 2

「コレモ我々警察ノ仕事ナノデス。ワカッテクダサイ」
タダミ警部が必死に説得をしていると、彼の部下が紅茶の鑑識結果を報告しに歩み寄った。
〈やはり速効性のあるウイルスです。詳しいことはまだわかりませんが、ウイルス反応レベル3です〉
〈レベル3!? それは本当か!〉
〈間違いありません。ただ今この周囲半径50メートルに非難勧告、この部屋の隔離のための準備を進めています。よろしいですか?〉
〈よし、では専門家が来る前までに遺留品と指紋採取、隔離準備を急げ〉
タダミ警部はテキパキと部下たちに指示を下していった。




―AM8:11
その頃、成田空港に一機の旅客機が着陸しようと、上空を旋回していた。その機内では窓から、まるで下に住む人間を嘲笑うかのように不適な笑みを浮かべる男の姿があった。
「日本か……平和もこれまでか……」
その男は今、静かに地上に下りようとしていた。




―AM8:13
ここは、UGF日本支局。先進各国に点在する支局の一つである。この組織は一般市民はもちろん、ほとんどの警察関係者にでさえ、その存在は知られていない。
任務は政府の行政機関の監視下で行われ、国内のテロ行為に関する調査・諜報・捜査活動から実戦までを一手に引き受ける。
UGFは先のエレナ・ハミルトンのマネージャー死亡事件で、張り詰めた空気が漂っていた。
「ロビン!」
自分のデスクで黙々と仕事をこなしていたロバートに、黒髪の女性が急ぐ様子で歩いてきた。
「どうかしたのか?」
「ただの殺害事件なら警察だけで十分じゃないのか?」
彼女の名前はカレン・タチバナ。UGFの強行部門スタッフである。
「そのことか……俺もそう思うんだが、局長がそう思っていない」
「どういうことだ?」
カレンはロバートの眼差しに眉を細める。
「死んだのはあの、エレナ・ハミルトンのマネージャーだ。他国の人間が……それもかなりの有名人が他国のコンサート会場で殺されるなんて事実が起これば、日本には今までにない圧力がかけられる。それを未然に防ぐために今レベル2が発令されている」


,
の最初へ
 0
 2
の最後へ

SNSでこの小説を紹介

その他の他のリレー小説

こちらから小説を探す