【希望と冒険と想いの果てに…】 1
希望と冒険と想いの果てにあるものは…
―闇の中の光―
*第一話 始まりの物語へ*
「……はて?なんでもろ地面?」
あれ?
何で?と首をかしげても変わらぬ景色。
私こと相模未伶は、この場を借りて叫んでみようかと思います。
「どこやねーーーーーーーーんっ!!」
「なんでやねーーーーーーーーーーーんっ!!」
「ありえへーーーーーーーーーーーーーんっ!!」
***
「……ぜぇ、ぜぇっ……さ、叫んでも効果…なし、と…」
私こと相模未伶は無駄に叫んでみたものの、意味を成すことがなかった状況に息切れ寸前です←
誰か酸素をください。
⇒
つかさ、何で森?
そりゃあ…アウトドアとか登山とか結構好きやけど…
未伶は自分の服装を見る。
ピンクのニットワンピに黒の長T、レギンスにブーツ。
…………どう考えてもアウトドアや登山に行ける格好ではない。(むしろ馬鹿だよ)
「(…ま、いっか)何とかなるさぁ!!はっはっはっー!!」
未伶ちゃんってばぁ、ポジティブさんやしねぇ。へーきへーきww
そう…私の合言葉は"いってみよーっ♪"なのだよっ!!
はっははーと笑いながら、未伶は森に足を踏み入れた。
森を徘徊すること、早数分後―
「……つ、疲れた…っ!」
さすがの私でも体力の限界でキレそうなんですよねーww←
あー足いてー…ひ、一休みしよー…っと……
私は近くの木の根元に腰を下ろした。
そよそよと心地好い風がそよぎ、すごくリラックスした。
「(うはーきもちー……)」
余りにも疲れが出たみたいで、風に誘われるように未伶は深い眠りについた。
******
ザッ…ザザッ……
木の間を縫うように黒い影が素早く動くと、木の葉はわずかな音を立てた。
「はぁ…、楽な任務ってないもんかねぇ…っと。」
影の正体は甲斐の忍、猿跳佐助
任務がおわり、帰り道の途中だった。
佐助は愚痴をこぼしながらも、足を動かす。
さっさと屋敷に帰って休みたい。
ここんとこ任務続きで限界なんだよね………、……マジかよ…)
「(何処のどちらさんか知んないけど、仕事増やさないで欲しいぜ…)」
進む先に普段はある筈のない気配を感じ、ガクリと肩を落とす。
佐助は気配のする場所へ向かった。
──目が覚めたら、そこは雪国でした──
「そんなわけあるか!」
「おっ、お目ざめかい?」
ありえないナレーションの声に突っ込んだところで目が覚めてみれば、
なんか遠くでは若い男の人と壮年と呼ぶべき男の人が殴り合っている。
畳敷きの部屋で敷いた布団からそれを見る自分とは、なんと味わいがたいものだろう。
「ああ、あの二人は気にしないでくれ。いつものことだから」「はあ」